1995年夏以来の甲子園出場を目指している。あこがれのマウンドに立つだけではなく、初の全国制覇が目標だ。学校創立110周年を飾るべく、サウスポーはフル回転の構えである。 取材・文=岡本朋祐 写真=田中慎一郎 U-18日本代表候補選手強化合宿では猛アピール。2023年ドラフトにおける“立場”を手にしている
中学時代に在籍した東海中央ボーイズで141キロを投げた
東松快征は神奈川、大阪の甲子園V経験校からも注目されていた。地元・愛知の享栄高への進学は、2つの理由がある。
「2009年夏、中京大中京の甲子園優勝を映像で見たんです。自分の力で甲子園に連れて行って、大藤(敏行)先生をもう1回、日本一の監督にする。甲子園で、胴上げしたい」
将来についても、先を見据えた。
「高卒でプロに行きたい。一番、プロに近いのはどこなのかと考えたとき、大藤先生が指揮する、享栄でプレーするのが最善かと思いました」
享栄高は過去に春11回、夏8回の甲子園出場も、2000年春(夏は95年)を最後に全国舞台から遠ざかる。18年8月、中京大中京高で1997年春のセンバツ準優勝、09年夏に43年ぶりの全国制覇へ導いた大藤監督が就任。侍ジャパンU-18代表ヘッドコーチも歴任した名将が率いても、強豪復活への道は険しかった。大藤監督は言う。
「閉じられた30年の扉は、なかなか開かない。何度かチャンスはありましたが、ちょっとの差が大きい。そこを埋めるのは、監督の力量。さらには圧倒的な力がないといけない。今年は圧倒的な投手がいる。長く、高校野球に携わってきて、これだけの素質ある投手を見たことがありません。野球の神様から、二度と出会うことがない宝物を、預からせていただきました。球の質が違います」
セットポジションによる効果
一発回答だった。2023年の対外試合初登板となった智弁和歌山高との練習試合(3月5日)には・・・
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