なぜ、マリーンズのファンはマリーンズに夢中なのか。現役選手の立場から推察してもらえば、何かのヒントになるかもしれない。チーム最年長の荻野貴司と、チーム最古参の角中勝也という両ベテランに、ファンについて語り合ってもらった。 取材・構成=落合修一 写真=阿部卓功 荻野貴司、角中勝也[右]
大差でリードされても最後まで応援してくれる
──特集のテーマは「マリーンズはなぜ愛されているのか」です。
角中 応援は基本的に、攻撃中ですよね。たぶん、ウチが攻撃中のチャンスのときの相手チームは嫌だろうなと思いますね。のまれる感覚になるかもしれません。
荻野 マリーンズのファンは、(チーム状態が)良いときも悪いときも応援してくれるのがありがたい。仮にチームが大量リードされている試合でも、最後まで大きな声で声援を送ってくれます。
角中 そうですね。それは結構ありますね。
荻野 大量リードされた展開の試合でも、途中で帰るお客さんは多くない。そういう印象がありますね。
──打席にいるときの自分への応援というのは、どのくらい耳に入ってくるものなのですか。
角中 昨日はすごかったですね(編注・取材は習志野高校吹奏楽部が来場した試合の翌日)。習志野と
ロッテファンのコラボは結構やばかったですね。でも、普段は正直に言って、打席で集中しているときは耳に何も入ってこないです。聞こえていたら逆に打てない(笑)。大きな音を立ててくれるからこそほかに何も聞こえなくなって、逆に投手との勝負に集中できるということです。
荻野 僕は基本的に聞こえているんですよ。歌が始まる前に打ってしまうときがあって、そういうときは申し訳ないと思うんですけど(笑)。それよりも、ベンチにいるときにほかの打者への応援を聞くのが好きですね。それによって自分がノッていけるというか。特に好きなのは、カク(角中)の応援。
角中 僕が好きな他人の応援曲は、奨吾(
中村奨吾)。あれは「CR花の慶次〜斬」というパチンコのタイアップ曲(『よっしゃあ漢唄(おとこうた)/角田信朗』)で、「よっしゃあ」の部分が特に好きですね。
──マリーンズは昨年、観客動員数の球団記録を達成。平日のナイターでもガラガラということはなくなりました。それについてはどう思いますか。
荻野 昔は、平日ナイターの試合前は「今日は大丈夫かな」というのがありましたけど、コロナ明けのここ2年くらいは結構埋まっているなと思うことが多くなりましたね。
角中 僕も実感しています。やっぱりお客さんが多いほうがみんなのモチベーションになりますし、自分としてもうれしいですね。
荻野 うん、うれしいよね。
SNSを早くから活用している
──ホームとビジターでは気分に差はありますか。
荻野 それぞれの良いところがありますね。ビジターはビジターで、狭い範囲から大きな声援をくれる頼もしさを感じられるので。
角中 そうですね。ビジターの球場では・・・
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