ドライチの称号は毎年12人にしか与えられない。球団からの最大級の評価であり、選手にはこれ以上ない名誉だろう。 取材・文=上原伸一 写真=井田新輔 
池山新監督と同じ右の大型内野手。抜群のキャプテンシーも併せ持ち、チームの再建に欠かせない選手だ
着実な歩みと成長 喜びと驚きの1位指名
「いの一番」に呼ばれたのは自分の名前だった。指名順1番目の
ヤクルトが1位で
松下歩叶を指名した。だが会見場にいた法大の野球部員からどよめきと歓声が巻き起こるなか、松下の表情は硬かった。しばらくは身動き一つせず、スクリーンに映し出されたドラフト会議の中継を見つめ続けていた。心なしか目が潤んでいるようでもあった。
「正直なところ(喜びよりも)驚きのほうがはるかに大きく、これは本当に現実なのかな、と。それでずっとスクリーンを見つめていたんだと思います」
現実となったドラフト1位指名は松下の目標であった。それは2年秋から3年秋までの3季連続のベストナイン、3年時のハーレムベースボールウイーク決勝(対アメリカ)での決勝の逆転2ラン、さらには今年7月の日米大学野球でMVPと、ハイレベルな実績を重ねることで着実に成就へと向かっていた。今年のドラフトが近づくにつれ「上位候補」の呼び声も大きくなっていった。しかし松下には確固たる自信がなかったようだ。「本当に指名してもらえますかね」。今秋の開幕前、胸の内を漏らしていた。
それでも栄えあるドラフト1位指名を・・・
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