今季は最下位に沈んだマリーンズだが、暗い話題ばかりではない。将来が楽しみな若手選手たちが今年、頭角を現した。その中でも投手の筆頭格は、木村優人投手だろう。開幕カードでの初登板初勝利から初セーブ、先発転向後は完封勝利まで経験した高卒2年目の右腕は間違いなく、若手の先頭に立って来季の逆襲へのキーマンとなるはずだ。 取材・構成=落合修一 写真=橋田ダワー 開幕カードで初登板初勝利
「今年は自分にとって、本当に初めてづくしの1年でした」
木村優人は、そう穏やかに振り返った。霞ヶ浦高からドラフト3位で入団して2年目。今年の開幕時点ではまだ10代だった。
それが一軍公式戦初登板、初勝利、初セーブ、そしてシーズン最終登板での完封勝利。チームは最下位に沈んだが、将来性豊かな若手選手が複数台頭したマリーンズにおいて、木村が手に入れた収穫は特に多かった。
「去年から(ファームで)先発としてやらせてもらってはいたんですけど、今年は結果の形がいろいろと出たシーズンでした。最初はリリーフから始まって、途中から先発に転向させてもらって。うまくいかないことのほうが多かったですけど、その中でも自分の中に残ったものは大きかったです」
最初に手にしたのは、開幕一軍ベンチ入り。もちろん、プロ野球選手なら誰もが目指すところではあるが、昨年のイースタン・リーグで未勝利(11試合登板で0勝2敗)だった高卒2年目とあっては正直、想定にない出来事だった。
「春季キャンプのときは、自分のできることをアピールしていくしかないと思っていました。それでも開幕一軍というのは、あまり頭になくて……。最初に聞いたときは、びっくりしました。でも、その反面『選ばれた以上、やらないといけない』という自覚も強く出てきましたね」と木村は振り返る。
プロ初登板は開幕3試合目、3月30日の
ソフトバンク戦(みずほPayPay)。緊張も興奮も、忘れがたい空気とともに残っている。
「開幕カードで、相手はソフトバンクで……。強いチームじゃないですか。緊張はもちろんありました。でも、自分のピッチングをしよう。自分の形を出そう。そういう気持ちのほうが大きかったです。結果として勝てたのは、自信にもなりました」
先発・
種市篤暉からの継投で4対4の7回裏に登板。先頭の四番打者・
山川穂高を空振り三振に仕留めるなど三者凡退に抑えると、8回表に味方打線が勝ち越し。木村に「プロ初登板、初勝利」が転がり込んだ。
その経験は、木村に一つの実感を残した。
「一軍の打者が相手でも・・・
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