混迷が続く母国を希望の光で照らした。準々決勝で前回王者の日本を下すと、決勝では史上最強の呼び声高いアメリカを撃破。ベネズエラが初めて世界の頂点に立った。 文=福島良一[大リーグ評論家] 写真=高原由佳、Getty Images 
WBCで初の頂点に立ったベネズエラナイン。経済的、政治的混乱の続く母国に大きな希望をもたらした
紆余曲折の参戦
現地時間の3月17日、アメリカ・フロリダ州マイアミのローンデポ・パークで行われた第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝。超満員の大観衆3万6190人が異様な熱気と興奮に包まれる中、ベネズエラがアメリカに競り勝ち、初の王座に就いた。しかし、ここまでたどり着くのは決して平坦な道程ではなかった。
長年にわたる末期的なインフレと経済崩壊に苦しみ、ベネズエラの国内事情は悪化の一途をたどった。今年1月にはアメリカのドナルド・トランプ政権が軍事介入し、ニコラス・マドゥロ大統領を拘束。アメリカとの関係が緊迫状態にあり、政情不安で不参加を訴える選手も続出するなど、先行きが不透明な状況における国際大会への参戦となった。
さらに同国の代表的スターであるホセ・アルトゥーベ(アストロズ)が保険契約を結べず、球団からの要請を受けて参加を見送り。ベテランの
ミゲル・ロハス(ドジャース)も36歳の年齢がネックとなり、保険の審査に通らず出場を断念。2月5日のメンバー発表前から戦力低下が懸念されていた。
それでも、2大会連続で指揮を執るオマール・ロペス監督のもと、2023年に前人未到の「40本塁打&70盗塁」を達成したロナルド・
アクーニャJr.(ブレーブス)を筆頭に、22年から3年連続首位打者の
ルイス・アラエス(ジャイアンツ)といったスターが続々と代表入り。ラテン特有のパワーとスピードあふれる選手たちが数多く招集された。
ベネズエラと言えば・・・
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