11月12日、甲子園球場にて12球団合同のトライアウトが行われた。今季戦力外通告を受けた選手、独立リーグなどからNPB復帰を狙う選手たち65人が集まり、12球団のプロスカウト陣にアピールを行った。また球場には約1万2000人のファンが集まり、これが現役最後になるかもしれない男たちの雄姿を見守った。 取材・文=椎屋博幸、写真=佐藤真一 多くのファンに見守られ、持てる力を精いっぱい
快晴の朝、甲子園球場の周りには長蛇の列が並んでいた。午前9時開門を前に一列四組に並んだ列は、正面口から一塁側スタンドを通り過ぎ、アルプス席入口までに達しその数は約1300人。当初はネット裏のみを開放する予定だったが、内野席も解放。トライアウト受講の選手たちがライト前で円陣を組み、1日のスケジュールの説明を受けていた10時には、内野席は満員に達した。その数約1万2000人だった。
7時45分から並んでいる、と語ってくれた女性2人は
巨人ファンと
日本ハム時代からの
矢貫俊之のファン。「まだまだやれる投手なので、獲得してくれる球団があるといいのですが……」。応援とともに、最後になるかもしれない雄姿を目に焼き付けよう思いもあったようだ。
甲子園球場には約1万2000人の観客が訪れ、大きな声援を送った。開門前、朝早くから長蛇の列をなすファン
甲子園というビッグ球場であることもあるが、例年以上に観客の熱は強かった。10時のミーティングが終わり、選手たちがベンチに引き揚げるときに大きな拍手が送られ、シートノック終了後、そしてシート打撃一番手の投手、
ヤクルトを戦力外となった
寺田哲也がマウンドに上がった瞬間も、同じような盛大な拍手が沸き起った。
「マウンドに上がったとき、緊張はしましたが
阪神の一軍の試合のときと同じような雰囲気を観客の皆さんが作ってくれたので、懐かしいというか・・・
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