兵庫・小野高、慶大で活躍し、東京六大学リーグ戦では早大・和田毅(ソフトバンク)と真剣勝負を演じた元フジテレビアナウンサーで現スポーツアンカーの田中大貴は、1980年生まれの「松坂世代」の1人。そんな野球人・田中が、同年代の選手たちをプロ野球現場の最前線で取材した至極のエピソードを、コラムにして綴る連載第12回です。 
98年夏の準々決勝で横浜高の松坂大輔から安打を放つPL学園高の大西
閃光放つバックホーム
忘れもしない、高校3年生の夏の終わり、場所は慶應義塾大野球部日吉グラウンドです。センターからバックホーム送球を投じる球道が、1人だけ異次元の選手がいました。
「これが同い歳なんや。同級生に思われへん……」
グラウンドの外から見学していた当時18歳の僕は、気が付けばこの言葉を何度も繰り返していました。
あまりの肩の強さ、送球の力強さに、中継に入る遊撃手と二塁手のグラブを弾き飛ばしそうになる瞬間がありました。
この日、慶應義塾大学体育会野球部では高校3年生を対象とした練習会が行われていました。兵庫から上京し、たまたま練習会を見に行っていた僕。気が付けばシートノックでセンターのポジションに入る1人の選手の虜になっていました。
ユニフォームの胸には「PL GAKUEN」の文字。その選手の名は
大西宏明。
1998年夏の甲子園での激闘を終えた2日後、大西は大学進学を目指し、候補の1つとして、慶大の練習会に参加していました。
たまたま居合わせた僕。ここで見たシートノックでの衝撃・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン