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2019ペナントレース

広島・投打のかみ合わせ、小技もバッチリ。いよいよ王者が来た!! スキなし11連勝!

 

気温の上昇とともに、ペナントレースを熱くする2チームのリポートをお届けしよう。まずは破竹の11連勝で一気に首位に立った、セ・リーグのディフェンディング・チャンピオンの広島から。
写真=小山真司、佐藤真一 ※成績は5月26日時点

打線ではバティスタの好調が目立つ。5月24日の巨人戦ではレフトの看板を直撃する11号[写真]を含む2発。24〜26日の3連戦ではいずれも猛打賞


11連勝中6試合のQS


 いよいよ王者が来た。

 4月の苦しみがウソのようだ。昨年まで3年連続のセ・リーグ王者の広島は、5月11日のDeNA戦(マツダ広島)から連戦連勝、25日の巨人戦(東京ドーム)まで勝ち続けて3年ぶりの11連勝(2016年6月14日〜25日にかけて達成して以来)。22日に勝った時点で、昨年までの「定位置」だった首位に返り咲いた。26日の巨人戦(同)に敗れて連勝は止まったが、2位・巨人にこの時点で2ゲーム差をつけている。

 何と言ってもこの連勝、DeNA戦に始まり(2勝)、ヤクルトに2勝、阪神に3連勝、中日に2勝、そして巨人に2勝と、セ・リーグ全球団を総なめにしてのものだから価値がある。今季通算成績では、ヤクルトには3勝5敗と負け越しているが、もう精神的に苦手意識を持つ相手はなくなったはずだ。


 この11連勝の内容を分析してみると、やはり第1の要因は、投手陣、特に先発投手の安定だろう(表参照)。この11連勝中は、大瀬良大地床田寛樹、ジョンソン、アドゥワ誠野村祐輔の5人できっちりと回したが、先発投手が責任回数と言われる5回持たなかったのは5月14日(ヤクルト戦、マツダ広島)の野村ただ1回のみ。それ以外はすべて、5回を持ちこたえている。そして11試合中、クオリティー・スタート(QS=先発投手が6回以上投げて自責点3以内)が6度と半分以上、さらにハイ・クオリティー・スタート(HQS=先発投手が7回以上投げて自責点2以内)も4度ある。

投手陣を引っ張るのはやはりエースの大瀬良[中]だ。5月22日の中日戦[マツダ広島]で完投勝利。鈴木[右]と西川から氷水のシャワーをかけられ「アイシング完了です」と笑わせた


 昨年は、年間のチーム防御率が4.12と、不安定な投手陣を打線がカバーする形で優勝を手にした広島だが、今季はここまで防御率3.06でリーグトップと、投手陣の頑張りが目立つ。

QS逃せば打線が奮起


 そして、その投手陣が崩れた日には、やはり打線がしっかりとカバーをしていることも見逃せない。もう一度、表を参照していただくと分かるが、この11連勝中、ピッチャーがQSを果たせなかった日には、必ず打線が2ケタ安打を放って、その失点をはね返しているのだ。「投打がかみ合う」とは、まさにこういう状態をいうのだろう。

 4月は猫の目のように変わっていた打線も、5月になって、一番・野間峻祥、二番・菊池涼介、三番・バティスタ、四番・鈴木誠也、五番・西川龍馬の形を固めてから、軌道に乗った。特にクリーンアップの充実度は素晴らしく、26日までの、5月の月間成績は、バティスタが打率.352で8本塁打、17打点、鈴木は打率.400で7本塁打、18打点、西川は打率.370で2本塁打、13打点だ。

「セイヤ(鈴木誠也)が四番にいることで、自分には甘い球が来る」とはバティスタ。「自分一人で決めようとは思っていない。ランナーがいればかえそうと考えるし、いなければつなごうと考える」(鈴木)、「つなぐことしか考えていない」(西川)というクリーンアップは、非常にうまく機能していると言える。

5月24日の巨人戦の7回表、二死三塁から野間が、セーフティーバントを成功させ、三塁走者を迎え入れるなど、小技も使えている


 そして、ただ投げて、打ってだけでなく、広島らしい、小技を使って流れを持ってくる場面も多く出だした。5月24日の巨人戦(東京ドーム)では、外国人投手のヤングマンから鈴木の盗塁を絡めて得点したほか、7回には二死三塁から野間がセーフティーバントを決めて追加点。一方、守備では床田が一死二塁から、素早いターンの二塁けん制で走者を刺してピンチを脱出。25日の同カードでも、ジョンソンのバスターヒッティングによる適時打や、三盗を絡めた攻めで、外国人投手のメルセデスを攻略した。

開幕当初は不調だったジョンソンの復調も大きい。5月25日の巨人戦、ちょうど通算100試合目の登板で、来日50勝を達成した


 今後は、交流戦が始まり、総なめしたセ・リーグから対戦相手が変わって仕切り直しになること、あるいはこのところ1週間に5試合の日程が続いていたのが6試合になり、もう一人先発投手が必要になってくることなど、若干状況に変化をもたらす要因はあるが、投手力、打力、そして小技とそろった今の広島の勝ち方は、むしろ昨年よりもスキがなく、安定感があると言っていい。チーム全体で、ある程度このペースを保ち続け、16年、17年のように、交流戦で2位以下との差を広げることができれば、4連覇がはっきりと視界に入ってくることになる。
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