昨年のドラフト会議では明暗が分かれた。四国アイランドリーグplusは育成枠1人のみ、BCリーグは育成枠4人を含む6選手が指名を受けた。厳しさは承知の上、それでも夢をあきらめない独立リーガーの中から、この秋のドラフトに向けた注目選手を紹介していこう。 ※成績は9月10日現在 取材・文・写真=高田博史 防御率1点台でトップ。伸び盛りの18歳右腕
育成選手としてNPBのユニフォームに袖を通せば、それで良いわけではない。一軍で結果を残せる選手を育てなければ──。四国リーグのフロント、各球団の監督、コーチは、そんな思いを共有しながら選手たちを鍛え続けている。
2015年の育成ドラフト1巡目で
巨人入りした
増田大輝(元徳島)が、4年目に大輪の花を咲かせた。「一軍に定着した」と言ってもいい彼の今季の大活躍が、四国リーグのファン、関係者に大きな喜びを与えている。四国から確実に道はつながっている。増田の背中を追い掛け、NPBの扉をこじ開ける次のアイランドリーガーの出現に期待を込めたい。
今年、四国リーグからドラフト候補の一番手として名前が挙がるのは、徳島の18歳右腕・上間永遠(柳ヶ浦高)である。
140キロ台後半のストレートとカットボール、シンカーなどを武器に、前期終盤から存在感を発揮し始めた。8月24日、対愛媛後期9回戦(徳島市)では7回までノーヒットノーランを続け、完封勝利を挙げている。防御率1.40(1位)。まだまだ伸びしろを感じさせるスケールの大きさが注目を集めている。
同じく徳島から、エース・
竹内裕太(鶴見大)にも期待したい。ヒジの痛みの癒えた8月中旬から先発に復帰し、150キロに迫るストレートとスライダーで2試合連続完封勝利をやってのけた。投げっぷりの良さが売りだ。現在7勝を挙げており、最多勝に手の届く位置にいる。昨年もドラフト候補として指名を待った。今年こそ吉報を心待ちにする。
高知のエース、
石井大智(秋田高専)は、この2年間で大きく成長した1人だろう。高い奪三振率(9.91、2位)で注目された1年目を経て、今年の開幕戦(4月6日、高知市)で徳島を相手にいきなり15奪三振、1安打完封劇を披露した。空振りの取れるストレートは最速152キロ。奪った三振122(1位)と奪三振王への道を独走中だ。

石井大智[高知]
徳島の二遊間コンビが2年連続盗塁王に王手
香川のクローザー、
又吉亮文(環太平洋大)にも注目したい。兄・
又吉克樹(現
中日)と同じ、サイドスローから投げる思い切りのいいストレートが売りだ。打たせて取るよりも力でねじ伏せる。13セーブ(1位)と、こちらもセーブ王のタイトルをほぼ手中に収めている。
野手からは、まず“足”で売り出し中の2選手を紹介する。
徳島・
岸潤一郎外野手(拓大中退)は昨年、盗塁王(38盗塁)を獲得した。今年も32盗塁(2位)と俊足をアピールしながら、外野手の間を抜いて二塁打、三塁打を狙う。ヒジの手術が癒えた今年は、遊撃手としてアピールを続けている。勝負強い打撃力も頼もしい。
岸とともに二遊間を守るのが徳島の主将、
平間隼人二塁手(鳴門渦潮高)だ。5年目の今季はシーズン序盤から首位打者争いを続けた。前期優勝の立役者として前期MVPを受賞。41盗塁(1位)と初のタイトル獲得に王手を掛けている。「守備職人」として増田のあとに続いてほしい。

平間隼人[徳島]
昨年の首位打者、香川・
妹尾克哉遊撃手(神戸国際大付高)がさらに進化している。6月の北米遠征中にオファーを受け、キャンナム・リーグ(北米独立リーグ)へ派遣された。30試合に出場し、打率.339という高い数字を残している。9月2日に帰国し、再び香川に合流した。あくまで行きたいのはNPBである。自身のドラフト指名のため、残り試合に全力を尽くす。
香川・
三好一生捕手(駒大)も覚えておいてほしい。「一芸」とも言える強い肩が武器。北米遠征をきっかけに、不安定だったスローイングが修正できた。二塁への送球を見れば、NPB関係者も「おっ!」とストップウォッチを手にするはずだ。
昨年、過去14年間で初の「指名1人」に終わった悔しさは忘れていない。増田や又吉、
亀澤恭平(現中日)、
角中勝也(現
ロッテ)、
水口大地、
伊藤翔(現
西武)らとともに、一軍で躍動する次のアイランドリーガーの登場を待っている。
2019ドラフト候補選手名鑑号より転載