8月15日、小川泰弘が偉業を達成した。135球を投げ、9回を打者32人、許した安打はゼロ。抜群の制球力でゲームを支配し、5連敗中のチームに、勢いをもたらした。 
小川[左]と西田。抱き合って喜んだ/写真=大賀章好
5連敗中の光
最後の打者・
乙坂智を135球目、134キロのフォークで空振り三振に斬って取った。マウンドの小川泰弘は、駆け寄ってきた捕手の
西田明央と抱き合う。ベンチから飛び出したナインたちは、ウオーターシャワーで祝福した。
ヤクルトの小川が、8月15日の
DeNA戦(横浜)で、プロ野球82人目、93度目となるノーヒットノーランを達成。チームでは2006年5月25日の
ガトームソン以来、8人目(9度目)の快挙だ。
この日の小川はストライクゾーン内外にきっちりと投げ分けてDeNA打線を翻ろう。ストレートをコーナーに決めつつ、フォークも低めに集めて、ゴロを打たせる。さらにカットボールを有効に使うなど、すべての球種を自在に操った。
8回には、四球と
廣岡大志の失策で無死一、二塁のピンチを背負ったが、後続3人を三振、右飛、遊ゴロでピシャリ。最後まで集中力は切らさなかった。「ノーノーは、5回くらいから意識していましたけど、そんなに簡単にはいかないと分かっていたので。テンポよく、バッターに向かっていく姿勢だけを意識しました」と、丁寧な投球を貫いたことが、結果につながった。
まさしく“エースの投球”と呼ぶにふさわしいピッチングだ。チームは5連敗中で、「悔しい心境でしたし、苦しい毎日でしたけど、何とか気持ちで前に出ることは忘れずにマウンドに立てました」と小川。一時は2位だった順位もBクラスに転落し、チーム防御率リーグ最下位と、苦しい状況であることに変わりはない。だが、偉業達成という形で連敗を止めた男のピッチングが、これからに勢いをもたらさないわけがない。
GAME RESULT