ドラフトから約2カ月。12球団の新加入選手たちがプロ生活の第一歩、新人合同自主トレをスタートさせた。ここでは6球団の模様を紹介。新型コロナウイルスも吹き飛ばす勢いで、連日、懸命に練習に励んでいる。 DeNA・厳戒態勢下の自主トレ始動
1/8〜 @DOCK OF BAYSTARS YOKOSUKA 
三浦新監督が見守る中、新人8選手が合同自主トレを開始
前日に新型コロナウイルス対策で1都3県を対象にした緊急事態宣言が発出されたため、報道陣は最少人数に制限。厳戒態勢下での新人合同自主トレが始まった。練習前には、毎年恒例で指揮官があいさつ。
三浦大輔監督は「逆算をする習慣をつけてほしい。野球でも絶対生きてくる。それが習慣づけできれば、今自分は何をしないといけないのかが、おのずと見えてくるから。それを常に考えてやっていくように」と自身の経験を踏まえてアドバイスを送った。
室内練習場も使い、基礎中心のトレーニングメニューをはじめ、野手は打撃練習、投手はブルペンに入るなど2月のキャンプインに向けて精力的にメニューをこなしている。
キャンプの一軍メンバーについて、三浦監督は「新人はこれからですね。イメージはあるけど、最終的にはスタッフ会議で決められればいい」と話すにとどめたが、
入江大生、
牧秀悟、
池谷蒼大の大学、社会人組は一軍スタート。育成契約を含め、それ以外の5選手は二軍でじっくりと基礎を磨いていく見込みだ。
【PICK UP PLAYER】牧秀悟 追求する理想の打撃 
牧秀悟
室内練習場で熱心にバットを振り込むのがドラフト2位の牧秀悟だ。「甘いボールを1球で仕留めるのが自分の持ち味」と語るスラッガーは、プロ入りに際してバットの重さを900グラムから880グラムに変更。自らのスイングを追い求める。
日本ハム・初のキャンプに向けた下地づくり
1/9〜 @ファイターズ鎌ケ谷スタジアム 
ランニングで汗を流す伊藤(右)。第2クールではブルペンに入った
新人合同自主トレの4日前に育成2位指名の投手、
齊藤伸治がPCR検査の結果、新型コロナウイルス陽性と判定され自宅療養となった。1月9日の初日には7選手が顔をそろえ、
栗山英樹監督が見守る中、トレーニングをスタートさせた。ランニングではドラフト1位の
伊藤大海、社会人出身の同6位・
今川優馬が元気よく集団をリード。ポール間走では、“サニブラウンに勝った男”同2位の
五十幡亮汰が自慢の脚力を披露し、集まった記者たちをうならせた。
プロでの第一歩を踏み出したルーキーたちに「今日の気持ちを忘れずに1日1日、365日を過ごしてほしい」と訓示した栗山監督は、初日の7選手の様子を見て思うところがあったようで「(キャンプの振り分けは)組み直しだな。ギリギリまで考えます」と自主トレ期間中に新人を含めて、戦力の見極めを慎重に行う考えを明らかにしている。
1月下旬まで続く新人合同自主トレは、第2クールへ。フィジカルのトレーニングから徐々にゴロ捕球などボールを使ったメニューが増えてきた。
【PICK UP PLAYER】伊藤大海 焦らず、一歩一歩 
伊藤大海
即戦力として期待されるが、焦ることなく、確実にメニューをこなしている印象だ。それでも自然と周囲の目は右腕に集まる。栗山監督も「(キャンプで)一軍に入れば、実戦で投げさせる」と早期の紅白戦デビューを示唆する。
広島・軽めの初日から徐々に強度アップ
1/9〜 @大野屋内総合練習場 
やはりルーキー最年長のドラフト1位・栗林(手前)の動きが目立つ[代表撮影]
鯉の新戦力7選手が、
広島・廿日市市内の大野練習場で、プロ野球生活をスタートさせた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、広島入りした1月6日にPCR検査を実施。翌7日に全員陰性の結果が出て、8日から新人合同自主トレが始まった。2日間廿日市市内のホテルで缶詰め状態であったことから、初日は約1時間の入念なウオームアップから入り、キャッチボールやダッシュなど、軽めのメニューで調整した。
日を追うごとにシャトルランなどランメニューの本数が増え、強度を徐々に高めている。午後にはウエート・トレーニングを行い、それぞれ2月の春季キャンプへ向けた体づくりに力を注ぐ。ルーキー最年長のドラフト1位・
栗林良吏は「負けず嫌いの性格なので、負けたくない」とランメニューでも常に先頭を走り、早くも存在感を示している。
栗林を筆頭に、ドラフト2位・
森浦大輔、同3位・
大道温貴、同6位・
矢野雅哉の4人の春季キャンプ一軍スタートが内定している。2月1日からは沖縄で、開幕一軍入りをかけ、激しいポジション争いへ向けたアピール合戦が始まる。
【PICK UP PLAYER】栗林良吏 丁寧で意識高いCB 
栗林良吏
栗林がキャッチボールで
佐々岡真司監督を感心させた。都市対抗野球の疲労を考慮し、抑え気味の調整の中で、1つひとつの動作を確認し、丁寧に投げる右腕に、指揮官は「自分の考えを持ってやっている」と目を細めた。
ソフトバンク・小久保ヘッドの助言も胸に
1/10〜 @ HAWKSベースボールパーク筑後 
支配下全員高卒。ドラ1・井上(写真右)は「大声で引っ張る」と宣言
常勝軍団の一員として、充実した時間を過ごしている。筑後のファーム施設で1月10日からスタートした新人合同自主トレでは、プロの世界で戦うための体づくりを中心に、おのおのが自分の持ち味も発揮。初日から人一倍声を出してハツラツとした動きを見せる
井上朋也は、「先頭に立たないといけない立場」とドラフト1位の自覚もにじませた。
支配下選手5人はすべて高卒とあって、
藤本博史二軍監督も時間をかけて育てていく構えだ。一方で「10連覇を目指すなら、中心になってくれないと困る」と甘えは許さない。14日にドラフト2位・
笹川吉康が左足を負傷したものの、同世代ゆえのライバル意識、競争の雰囲気も漂わせながら、そろって汗を流す。
15日には小久保ヘッドコーチも視察に訪れ、「メモを取れ」「時間を有効活用しよう」とアドバイスして、プロとしての心構えを説いた。施設はもちろん、人にも恵まれた素晴らしい環境。1日も早く一軍の戦力となるために、心身ともに鍛え上げていく。
【PICK UP PLAYER】川原田純平 脚力にも自信あり! 
川原田純平
小学生時代に陸上100メートルで岩手県花巻市の大会1位、駅伝全国大会でも県代表として区間賞に輝いた“脚力自慢”は、シャトルランでルーキートップの2280メートルを記録。堅実な遊撃守備プラスアルファの部分でもしっかりとアピールしていく。
西武・切磋琢磨しながら和気あいあいと
1/10〜 @CAR3219フィールド 
打撃練習を行う渡部。焦らずにキャンプに向けて調整を続ける[球団提供]
支配下、育成合わせて12人の新人は1月10日からCAR3219フィールドで新人合同自主トレをスタートさせたが、キャンプに向けて徐々にトレーニングの強度を上げている。最注目はやはりドラフト1位の
渡部健人だ。将来の本塁打王を目指す大砲。昨年11月に右肩を痛めた影響もあり、キャンプはB班スタートとなったが、「まずは自分のペースでやって、周りに合わせていきたい」と焦りはない。即戦力の期待はあるが、それよりも長く主軸として活躍する選手に育てることに主眼を置かれている。
練習の雰囲気も良好だ。1月15日に18歳の誕生日を迎えたばかりの
豆田泰志は「(大学生、社会人が)優しくて話しやすい」と語ったが、大学生、社会人が高校生へ積極的に声を掛ける。もちろん、個々に“ライバル心”を抱きながらだが、和気あいあいとしながら切磋琢磨。この2年で二軍本拠地や選手寮、室内練習場が新しくなり、練習環境は格段にアップ。昨年から三軍も作られたが、チームの大切な“資源”である新人は最高の環境でプロの第一歩を踏み出した。
【PICK UP PLAYER】若林楽人 新たな万能選手 
若林楽人
外野手登録だが内野でもノックを受けている。「プレーの幅が広がりますし、自分をアピールする上でもどっちもできるのは大事だと思います」。
外崎修汰、
スパンジェンバーグと同じく内外野を守る“二刀流”として羽ばたいていく。
巨人・ドラ1がキャンプ一軍へアピール
1/14〜 読売ジャイアンツ球場 
ゆったりとしたフォームから回転の良いボールを投げていた平内
例年よりも約1週間遅い1月14日、気温15度のポカポカ陽気の中で、新人合同自主トレがスタートした。舞台となる川崎市のジャイアンツ球場には
原辰徳監督、
阿部慎之助二軍監督、新任の
桑田真澄投手チーフコーチ補佐らが集結。首脳陣が熱い眼差しを向ける中、支配下&育成合わせて19人のルーキーたちは元気に声を張り上げながらランニング、ダッシュ、ノックやティー打撃など基礎的なメニューで汗を流した。
初日の練習を終えたドラフト1位の
平内龍太は「思ったより体もしっかり動けていたので、ここまで順調に準備できていたかなと思います」と笑顔。視察した原監督も即戦力、即先発ローテーション入りを期待する平内の、春季キャンプ一軍スタートの可能性を示唆しており、「(自主トレ期間中に)ケガは絶対にせず、そこ(一軍キャンプ)に呼んでいただけるようにつくっていきたいと思います」と決意を口にした。
なお、クラブハウス内での昼食のメニューは「きのこと牛肉の山かけ丼」。特盛をほお張り、練習へのエネルギーに変えた選手もいたという。
【PICK UP PLAYER】山崎伊織 桑田コーチに興味津々 
山崎伊織
昨春に右ヒジじん帯の再建手術を受けている2位の山崎伊織は、ほぼフルメニューを消化。キャッチボールのみ約15メートルの距離でと慎重だが、リハビリは順調そう。桑田真澄新コーチもTJ手術経験者で、体験談を聞くことを熱望した。