野球は最後まで分からない。イースタン制覇・ロッテとウエスタン覇者・阪神による『2021年ファーム選手権』が10月9日、ひなたサンマリンスタジアム宮崎で開催された。両軍とも一軍が優勝争いを繰り広げる中、昇格機をうかがわんとばかりに若手が存在感を発揮。試合はロッテ2点リードで9回に進むも、阪神が粘りの攻撃を展開して逆転勝ちで3年ぶり6度目の日本一を手にした。 写真=川口洋邦 
9回に同点打を放った阪神・遠藤[写真左]。その後、敵失で決勝のホームを踏み、ベンチでナインに出迎えられる
◇2021年10月9日(土)@ひなたサンマリンスタジアム宮崎
◇開始 12時32分 ◇試合時間=2時間42分 ◇入場者数=4,018人

【神】村上、藤浪、○齋藤、岩田将、S尾仲-榮枝、長坂
【ロ】森、古谷、●小沼-植田
最多勝の投げ合い ミスで試合が動く
一軍での飛躍を期して汗を流す、次代の主役候補によるファーム頂上決戦は、両軍の先発投手の好投で幕を開ける。ロッテ・
森遼大朗、阪神・
村上頌樹の両先発はともにリーグ最多勝右腕。まずはイースタン10勝(5敗)の森が、1回表のマウンドへ。先頭・
江越大賀を三失、四番・
陽川尚将を四球で出塁させるも、3つのアウトをすべて三振で奪う圧巻の立ち上がり。宮崎・都城商高出身の育成4年目が、試合前に「地元での開催ということで宮崎県の皆さんの前でいい投球ができたら。大事な試合ですし、今シーズンの集大成となるので、悔いのない投球をしたい」と話していたとおり、直球にフォークを交えて堂々たる投球を披露した。
だが、ウエスタン10勝(1敗)の阪神・村上はさらに上を行く。140キロ台のキレのある直球に加え、カーブ、スライダー、
シュートと多彩な変化球を交えてロッテ打線に的を絞らせず、1回裏をわずか7球で三者凡退に斬ってとると5回二死まで一人の走者も出さない完全投球。森も4回先頭の
高山俊に安打を浴びるなど、走者を出しながらも、バックの好守もあり要所を締めて、投手戦で試合は中盤へ進んでいった。
試合が動いたのは6回裏だ。ロッテの先頭打者・
茶谷健太が・・・
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