激闘を制した勢いか、王者の意地か──。負ければ終戦の土壇場から勝ち進んできたシーズン2位のロッテとリーグ3連覇を果たしたオリックスのパ・リーグCSファイナルステージは、第1戦から、よもやの打ち合いに。互いに勝負強さを示す連日の意地のぶつかり合いの勝者は“自分たちの戦い”を貫いたほうだった。 ※試合結果、成績はすべて10月22日現在
写真=佐藤真一(第1、2戦)、牛島寿人(第3戦)、湯浅芳昭(第4戦) ※リーグ優勝のオリックスには1勝のアドバンテージあり 
投手力が際立つオリックスも、攻撃陣が奮起。第4戦は初回に森友哉[写真]が先制弾を放って主導権を握るなど、得点力も存分に示した
“勢い”にも“冷静”に
警戒心はコメントからにじみ出る。CSファーストステージ第3戦、3点ビハインドの延長10回裏に4点を奪って劇的勝利を挙げたロッテが、大阪の地に乗り込んできた。シーズンでは15.5ゲーム差をつける独走Vも、オリックス・
中嶋聡監督は気を緩めず。第1戦の前日に「(対ロッテは)競った試合が多い、僅差の試合が多い。そういうチーム。細かいミスなどないよう、しっかり戦っていかないといけない」と口にした。
勢いを止めるべく、満を持して第1戦の先発マウンドにはオリックスの絶対エース・
山本由伸が上がる。だが、初回に5安打を浴びて3失点。よもやの幕開けからも『ロッテ・下克上』の雰囲気が漂い始めたが、『全員で勝つ!!』が信条のオリックスナインが言葉の真意をプレーで示す。
奮起したのが打線だ。4回に
紅林弘太郎、
宗佑磨の適時打で同点に追いつき、再び勝ち越された直後の6回裏には2四球に3安打を絡めて一挙に4得点。見事にエースをカバーしたのは「珍しく由伸さんが、あんな感じだったので。いつも助けてもらっているので野手陣が頑張らないと」の紅林の言葉がすべて。

オリックスの絶対エース・山本由伸が第1戦の初回に3失点と予期せぬ幕開けも、紅林弘太郎[写真]の勝ち越し打など打線が奮起して先勝
ただ、ロッテも簡単には終わらない。第2戦は序盤から点を奪い合うシーソーゲームとなり、9回表にロッテが
安田尚憲の適時打で同点、
山口航輝の犠飛で逆転。「CSファーストの最終戦くらいからヤス(安田)たちがすごい集中力が高くなってきた」と
吉井理人監督も称賛する打線の粘りでロッテが勝利をもぎ取る。

劇的勝利で勝ち上がったロッテの勢いは止まらず、第2戦は9回表に2点を奪って逆転
衰えぬロッテの勢い。それでも、王者は冷静だった。第3戦は両軍とも本塁が遠く、両軍無得点のまま終盤へ。緊迫の展開の中、先述の第2戦で9回に登板して敗戦投手となった
山岡泰輔を7回表に送り出す。「早いほうがいいでしょう」と中嶋監督が与えたリベンジの場に見事に応え、8回裏に均衡を破った一戦に「こういう展開が似合いますね。これがウチの野球なんだろうな」と指揮官はポツリ。“ウチの野球”には、僅差の展開に加え、失敗も力に変え、チャンスを与えてきたベンチとナインの信頼関係も見え隠れする。

それでも第3戦からはリーグ王者が貫録のロースコアを展開し、8回裏に若月健矢の適時打と激走で2点をもぎ取る
徐々に自分たちの野球を展開し、第4戦は初回に先制点を奪って先行逃げ切り。3年連続の日本シリーズ進出を決め、指揮官は言った。「(ロッテの勢いに)正直のまれるかなという気持ちも少しあったんですけど、本当に良いゲームができた」。僅差を競り勝って力を証明し、たどり着いた「もう一つの目標である場所」(中嶋監督)。日本一への再登山──。2年連続の頂も“全員”でつかみ取る。

第4戦は2対0の6回裏に杉本裕太郎の適時打で加点し、粘るロッテを振り切った
パ・リーグクライマックスシリーズファイナルステージ@京セラドーム
第1戦 10月18日(水)試合開始18時1分(3時間9分)

【ロ】美馬、H中森、●中村稔、東妻、坂本、鈴木-松川、佐藤都
【オ】○山本、H山崎颯、S平野佳-若月
第2戦 10月19日(木)試合開始18時1分(3時間22分)

【ロ】メルセデス、H西村、澤田、○東條、S益田-田村、佐藤都
【オ】田嶋、小木田、H宇田川、●山岡-森【本】セデーニョ[オ]
第3戦 10月20日(金)試合開始18時1分(3時間9分)

【ロ】澤村、H中森、H国吉、H坂本、●西村、東妻-佐藤都
【オ】東、H小木田、H山岡、○宇田川、S平野佳-若月
第4戦 10月21日(土)試合開始18時0分(2時間32分)

【ロ】●種市、東妻、森、東條、坂本、澤田-佐藤都
【オ】○宮城、H阿部、H山崎颯、S平野佳-若月【本】森[オ]、藤原、ポランコ[ロ]