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ペナントレース熱戦FOCUS 2025

オリックス・岩嵜翔を金銭トレードで獲得 ブルペン強化で“奪首”へ

 

新天地でもう一花を咲かせてみせる。オリックス中日岩嵜翔を金銭トレードで獲得。6月1日に入団会見に挑んだ右腕の決意の声こそ、2年ぶりのリーグ優勝を目指すチームが、求めていた力にほかならない。交流戦開幕直前の“早期の一手”で首位を奪い取る。
写真=牛島寿人

岩嵜翔が6月1日の入団会見で背番号40に決まった新天地のユニフォーム姿を披露


 戦力強化に手を打ったのは、戦いぶりを見れば明らか。5月30日に中日の岩嵜翔を金銭トレードで獲得合意に達したのは、相次ぐ救援投手の不振と離脱にある。昨季50試合登板の吉田輝星が3月7日にトミー・ジョン手術を受け、開幕後も宇田川優希小木田敦也、東山玲士、前佑囲斗と計5人が同手術で肘にメスを入れた。マチャドとの“Wクローザー”を担った平野佳寿、セットアッパーとして期待された山崎颯一郎も不安定な投球が続いてファームで再調整。今季は打線が活発な一方、昨季までのストロングポイントだった救援陣の建て直しは急務だった。

 白羽の矢を立てたのが、中日のベテラン右腕だ。ソフトバンク時代の2017年には、46HPで最優秀中継ぎに輝くなど実績十分。又吉克樹のFA移籍に伴う人的補償で22年に中日に移り、同年9月にトミー・ジョン手術を受けて長期リハビリ生活を過ごしたが、昨季に復帰した。今年4月1日の巨人戦(バンテリン)では、三番手で登板して1回無失点の好投で勝利投手となるなど、189cmの長身から繰り出す150キロ超のスピードボールにキレのあるフォークは健在。ただ、豊富な救援陣を誇る中日では登板機会が少なく、ファームで調整が続いていた。そこで、オリックス・福良淳一GMが「今年のボールを見ても力があるし、十分にいけると思って決めた」と獲得に動いた。右腕も飢えていた一軍のマウンド。6月1日に、ほっともっと神戸で行われた入団会見では「チームが優勝するために自分の体を削って投げたい」と、決意を口にした。

 ソフトバンクで14シーズン腕を振り、パ・リーグの舞台は戦い慣れていることも好材料。とはいえ、トレード移籍が6月3日から幕を開ける交流戦直前だったのは、相手以前に不安は日程の面にあるからだ。6連戦が3週間続く中でブルペンの負担が増すのは間違いない。さらに、宮城大弥九里亜蓮らの先発ローテは5人こそ固まるも、山下舜平大が開幕直前に腰痛を発症して離脱の影響が大きく、6連戦には不安が残っていた。“早期の一手”には、チーム事情に加え、日程をにらんでのことも見え隠れ。そんな中で17年にシーズン72試合登板の実績を持つ右腕のタフネスさは大きな力になる。入団会見でも「今年は50試合に投げる目標があった。今からでも全然いける。フル回転するつもりでやっていきたい」と身を粉にする気概を示した。

 6月1日時点でチーム防御率3.26はリーグ5位も、先発防御率は同3位の2.67。リーグワーストの救援防御率4.45の改善が、V奪還への課題なのは明らかだ。先制すれば19勝4敗に対し、先取点を許せば6勝17敗と、反攻態勢を整えられないのも、ブルペンの台所事情ゆえ。岸田護監督も「フル回転を」と期待を寄せる35歳のベテラン右腕の加入でブルペン強化へ。6月1日時点で首位・日本ハムと2.5ゲーム差の2位と好位置につけているだけに“早期の一手”で、首位奪取への土壌を築く。

PROFILE
いわさき・しょう●1989年10月21日生まれ。189cm90kg。千葉県出身。市船橋高-ソフトバンク08[1]-中日22、23育、24途-オリックス25途=17年。
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