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連続写真に見るプロのテクニック

【連続写真】中日・柳裕也(後編)「上半身の使い方はマックス・シャーザーのよう。持っている力を100%、ボールに伝えられるフォーム」

 

前号(12月9日号)の続きです。上半身の動きが少なく、ボールにもフォームにも安定感があって、良いフォームであることを解説しました。早めに右腕を上げ、トップの位置でいつでも投げられる準備が整っているのもアマチュアの選手にはマネしてほしいですね。プロ3年目で初の2ケタ勝利に到達。ここから先の飛躍が期待される選手です。

【チェックポイント】[2](前編)ヒザの高さ〇&バランスよく立つ[4](前編)ハンズセパレーション早い◎


【チェックポイント】[8](前編)腕の上りが早い◎


【チェックポイント】[9](前編)トップの位置◎ (後編)胸の張り&股関節の角度◎


【チェックポイント】[12]軸足ヒザの折れ×リブダウン◎[13]上半身の倒し◎


【チェックポイント】[14]頭の位置◎&軸足を伸ばす意識


【ポイント】マックス・シャーザー


 前号では写真9までの体の使い方を見てきましたが、ここから先の動きも非常に良いです。まず、ステップ幅が広く、写真9→写真10と軸足(右足)から左足へのシフトチェンジの際も股関節の角度が120度以上で柔軟性とともに、下半身の強さを感じます。リリース直後の写真13あたりで軸足のヒザが曲がってしまいますが、そこでこらえてまた伸ばしていこうとする意識も見て取れるので、許容範囲でしょう。

 上半身の動きも見事です。まず、写真9&写真10で胸を張り、リリースに向けては、張った胸を内側に入れていきます(胸骨を入れる=リブダウン)。リブダウンすることによって腕が自然に強く振られるようになるのですが、これに柳選手は上半身を勢い良く倒す動きも加えていきます。リリースとリブダウンのタイミングが合えば、右腕はさらに加速しやすくなるのですが、柳選手はこのタイミングがとても良いようですね。

 上半身が地面に水平になるくらいまで倒した写真13でもまだリブダウンは続いており、その後、水平ラインよりももぐるくらいに上半身を倒していきます。このおかげでリリースポイントは前ですし、フィニッシュ時の頭のポジションもだいぶキャッチャー寄り(写真)。この上半身の使い方、アクションはMLBナショナルズのエースでもあるマックス・シャーザーを彷ふつさせますね。右足から左足へのシフトチェンジも完ぺきで、持っている力を100%ボールに伝えられるフォームであって、とても素晴らしいと思います。

 柳選手は今季9勝目を挙げてから10勝目まで約1カ月間、足踏みをしたそうですね。初めて1年を通して投げ抜いたわけですから、どこかでコンディションを落とすことは仕方がないことだと私は思います。来季、さらに勝ち星を伸ばしてくためには、どうしたらいいか。いかに早く戻してやれるかが大事で、フォームも極力シンプルに考えてあげるのがいいと思います。来季が楽しみですが、今季26試合で11勝ですから、やはりまず30試合に先発することを目指してほしいです。すでに170イニングを投げるタフさは証明していますし、勝ち星は試合数の半分が目安になると思います。中日には大野雄大選手もいますし、柳選手が今季より白星の上乗せがあれば、ペナントレースも面白くなりそうです。(フォーム解説=藪恵壹)

PROFILE
柳裕也/やなぎ・ゆうや●1994年4月22日生まれ。宮崎県出身。180cm85kg。右投右打。横浜高から明大を経て2017年にドラフト1位で中日入団。ケガなどもあり、加入2年で3勝にとどまっていたが、3年目の今季、キャリア初の2ケタ勝利を達成、チームの勝ち頭に。オールスターにも初出場した。2019年の成績は26試合11勝7敗0S0H146奪三振、防御率3.53
連続写真に見るプロのテクニック

連続写真に見るプロのテクニック

元プロの野球解説者が現役選手の打撃フォーム、投球フォームを連続写真をもとに解説。

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