昨季途中に楽天から巨人へ移籍し、2年目を迎える右腕です。春季キャンプ、そしてオープン戦までは先発ローテーションの5〜6番手を争っていましたが、その後、チーム事情もあってリリーフ(ロング)に役割が変わり、一軍でも1試合に登板しています。 
【チェックポイント】[7]手首の角度×軸の傾き◎

【チェックポイント】[11]肩・ヒジ・手の位置関係◎[13]軸足を伸ばす◎

【チェックポイント】[14]リリースポイントに角度がある
【ポイント】手首の角度
オーソドックスな右のオーバーハンドですね。本来はスターターなのでしょうが、現在の起用法のようにリリーフでも期待されていますし、写真のようにセットポジションからのスタートも悪くないと思います(写真1)。その割に左足があまり高く上がってきませんが(写真3)、バランスを重視しているのでしょう。
その後、写真5〜写真10でドライブ(併進運動)していく過程での軸の倒しはまずまずかと思います。ただし、右腕の上がりはやや遅いように感じます。写真5の時点で真下に下ろしているのですから、もう次のコマの写真6ではスイングを始めてもいいのではないでしょうか。これ以降、上げ始めてはいますが、スムーズに素早く上がってこない理由の1つに手首の角度が挙げられます。写真7、写真8を見るとはっきりしますが、手首を掌屈していますね。この後、切り替えて写真10の時点でまずまずの高さまで右腕が上がってはきますが、理想を言えばもう1テンポ、2テンポ早くていいくらいです。右腕のスイングを開始した時点で手首を背屈できていれば、そのタイミングを早められるのではないでしょうか。早めに右手を上げられていれば、あとは下に叩きつけるだけ。角度もつけやすいですし、良いピッチャーの多くが余裕を持ってトップを迎え、その後のアクションに備えているので、参考にしてみるといいと思います。
左足をランディング(着地)した写真11の際の、肩・ヒジ・右手の角度は90度で、これは良い形だと思います。写真12で頭とボールの位置が近づいているようにも見えますが(本当にそうならケガの危険があります)、写真13の腕のしなりを見る限り、右腕が回ってくるところで一塁側に倒れてのものだと思うので、問題はないでしょう。
古川選手は下半身の使い方が良く、写真13、写真14で軸足(右足)をグッと伸ばしてリリースを迎えられています。身長は178センチと大きいわけではありませんが、角度がつき、ボールに威力があるのはこのためです。写真14の形はすごくいいですよ。軸足から左足へのシフトチェンジも滞りなく、写真15の上半身の倒しも十分で、写真16のフィニッシュで一本足で立った形も良いと思います。
ハンズセパレーションを早くし、スイングの際の手首の角度を気を付けて、トップに余裕を持たせるだけで、今よりもさらに良くなっていくのではないでしょうか。(フォーム解説=
藪恵壹)
PROFILE 古川侑利/ふるかわ・ゆうり●1995年9月8日生まれ。佐賀県出身。178cm86kg。右投右打。有田工高から2014年ドラフト4位で楽天入団。楽天では在籍5年半で5勝を挙げ、19年途中にトレードで巨人へ。シーズン終盤に1勝を挙げている。今季は先発ローテ争いに加わるも、序盤は中継ぎでチャンスをうかがうことに。20年の成績は1試合0勝0敗0S0H2奪三振、防御率4.50(7月12日時点)