今季122試合に出場し、後半戦には遊撃のスタメンで起用され続けた北條史也。プチブレークしたが、本人は打撃にも課題を口にする。6つの長さの違うバットを使用しその課題克服を成し遂げようとしている。 取材・文=椎屋博幸、写真=毛受亮介 奪い取った正遊撃手ではない。今季、
鳥谷敬の不調もあり、与えられたポジション。しかし、簡単に明け渡すわけにはいかない。来季はもっと肉体的にも技術的にもバージョンアップをしないと、その座は守れない。実質一軍1年目だった北條史也は痛感した。
秋季練習開始直後、
金本知憲監督から、数種類の長さのバットを使用することを提案され即決。金本監督の現役時代と北條の使用メーカーは同じ。監督も現役時代に同じ練習をやっていたこともあり、メーカーもすぐ対応してくれ、秋季練習中に手元に数種類の長さのバットが届いたのだ。
この取材では75センチのバットを寮に置いており紹介はできないが、その75センチが練習の主流だという。70センチ(写真左上)は片手でのティーバッティング用で、右手がしっかり内側から出るか確認する。75センチのバットは主にフリー打撃で使用。

長さの違う5種類のバット。上から70センチ、80センチ、85センチ、90センチのマスコットバット、92センチの竹バット。残念ながら75センチのバットは寮にある
「軽いので操作性が上がります。それと打った後に体がブレないという効果があります。でもバット自体にしなりが出ないので、強い打球で遠くに飛ばすには、体の軸がしっかりしないといけないんです。軽くて短いのでバットを内側から出していかないと球速に負けてしまい、手首などを痛める可能性もあるので、インサイドアウトを確認するために使います。つまり体の使い方を覚えるためのバットです」
そして80センチ(写真左から2番目)は秋季キャンプ中に新たに購入。北條の試合用のバットは約85センチの905グラム平均。今回紹介する一番長い竹バット(写真右下)が92センチ980グラム。そして、金本監督が現役時代に使用していたバットと北條のバットはバランスや形が似ていることもあり、監督からもらったマスコットバット(写真右下から2番目)が90センチ。紅白戦や実戦に入る前、短いバット、長いバットで交互に練習した後、フリー打撃で80センチのバットで、実際使用の感覚を取り戻すために使った。

秋季キャンプでのティーバッティングやフリーで使用したマスコットバット

金本監督のネーム入りで、監督から直接手渡されたという。形状が金本監督の現役時代のバットと似ており、振りやすいという
練習の中では、短いバットで打った後にマスコットと竹バットを使い、体の軸で作るバットのしなりを確認する。竹バットはティーバッティング用で、マスコットはフリー打撃でも使用する。
「2カ所のフリー打撃練習で短いバット、長いバットとで使い分けています。最初は自分の動作が分からなかったんですが、自然と下半身からしっかり回して、体がしなっている感覚が出てきました。この秋季キャンプでは実戦用バットをほとんど使わなかったので、実際に自分のバットを使って打席に立ったときにどういう感じになっているか楽しみです」
春季キャンプにも全種類のバットを持っていき、打撃フォームを作り上げていく。それが完成すれば真のレギュラー選手になれるはずだ。
PROFILE ほうじょう・ふみや●1994年7月29日生まれ。177cm76kg。右投右打。大阪府出身/光星学院高-
阪神13=4年