異変が起きたのは、6月6日の交流戦・
日本ハム戦(札幌ドーム)。7回まで2安打1失点と好投を続けていた
野村祐輔の姿が、8回のマウンドにはなかった。1年目ながら、先発ローテーションの軸として中5日でフル回転。疲労の蓄積は、持病の腰の張りとなって現れた。
「もう、心配ないです」と挑んだ、同13日の
ロッテ戦(QVCマ
リン)でも、4回に突然崩れて降板。再び背部の張りがルーキー右腕を襲った。「こんな状態なので、自分ができることをしっかりしないと」
新人ながら、早くも責任を背負わざるを得ない立場になっていた。初登板から11試合連続で、クオリティースタート(先発投手が6イニング以上を投げ、自責点3以内に抑えたときに記録される指標)をマーク。交流戦を終え勝ち星は4勝にとどまりながら、リーグ3位の防御率1.78と、文句の付けようのない成績を残し、周囲の期待も大きくなり過ぎていた。
直球は140キロ前半ながら、スライダー、チェンジアップを軸に抜群の制球力で、被打率は.207とプロでも通用することを証明してみせた。「相手が何を待っているかなど、そういうところが見えていることが良いと思う」と洞察力こそが持ち味だと自己分析する。 当然、新人王の筆頭候補だ。だが、ただの新人とは違う。
大学時代から親交のあるロッテ・藤岡が“新人一番星”を飾っても、「1年通してどうだったかが大事」と開幕以来、常にシーズン全体を見通してきた。それだけに、ケガには敏感な反応を示している。 不幸中の幸い、交流戦明けも登録を抹消せずにチームに帯同している。
迎える試練の夏、黄金ルーキーが再び輝きを放つ。