高卒2年目の正捕手候補・
田村龍弘の存在感が急上昇している。負傷離脱しているベテランの里崎や、即戦力ルーキー・吉田の穴を埋める以上の働きだ。
7月9日の
西武戦(西武ドーム)で吉田が右前距腓じん帯損傷の大ケガを負った。その翌日、急きょ代役として一軍に昇格したのが田村だった。同14日の
ソフトバンク戦(QVCマリン)でドラ1右腕・石川とのコンビでプロ初スタメンをつかむと、好リードでチームを勝利に導いた。捕手出身の伊東監督も「素晴らしいリードだったね」と絶賛するほどだった。
意外な代役を務めたのが、その翌日の同カードだ。試合は延長12回で引き分けたが、9回に野手を使い切ったために、10回から二塁手として途中出場。12回には先頭・松中の一、二塁間を抜けようかという打球を好守備でアウトにしてみせた。光星学院高では内野手としてもプレーしており「自然に体が動きました」と涼しい顔だったが、あらためて野球センスの高さを見せつけた。
その後はコンスタントにマスクをかぶり、8月14日現在で15試合に出場している。
高校時代は強打が売りで、3季連続甲子園準優勝という輝かしい実績を残した。現在は捕手として守備力で成長を遂げている。中村バッテリーコーチも「捕球してから投げるまでの動作がかなり早い。柔軟性もあり、のびしろもある」と期待を寄せる。
今は成長期の真っただ中にある。「言われたことをやるだけじゃなく、自分の中で“こうやってみてもいいんじゃないか”と考えることも意識している」。弱冠20歳ではあるが、「ポスト里崎」の有力候補であることは間違いない。