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野村祐輔投手・200回登板で返す球団への借り

 



 プロに入って初めて味わう屈辱だった。野村祐輔は3年目の2014年、19試合の登板で7勝8敗、防御率4.39に終わった。ルーキーイヤーに9勝で新人王、2年目も12勝と、着々と伸ばしてきた成績をすべてで下回った。結果は初のダウン更改。年俸は6000万円から5800万円(推定)となった。

「数字を見てのとおり。仕方ないです。本当に悔しいシーズンでした。体と精神面がバラバラだった。これをムダにしないように、次のシーズンはやっていきたい」

 200万円減だが、球団の期待も含まれている。鈴木球団本部長は「本来ならもう少し下がっているんだけど、2年間ローテを守ってくれたのもある。貸しじゃ、と言ったよ」と説明した。野村もこの言葉には「期待してもらっているのがすごく伝わってきた。期待を裏切らないように、やっていきたい」と意気に感じ、燃えている。

 完全復活だけでなく、さらなるレベルアップを掲げるシーズンになる。15年は先発ローテーション投手としてだけではなく、柱としてフル回転するつもりだ。目標を200イニングに設定。「計算に入れられる、チームとして計算が立つ投手になる」と鼻息は荒い。

 もちろんタダで倒れたわけではない。不調で見えたものがある。2度の二軍落ちを経験し、二軍コーチ、スタッフとともに、体の使い方を見直した。求めたのはフォーム、筋肉など多岐にわたる「柔らかさ」。特に問題があった股関節の使い方を見直した。トレーニング自体は大きく変わるものではないが、意識の中にすり込んできた。秋季キャンプではセットポジションから大きく振りかぶるモーションに変更し、手応えをつかんだ。「貸し」は15年、必ず返す。
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週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

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