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脇谷亮太内野手・チームを支える頼れるベテラン

 



 “代役”と位置付けるには忍びないほどの貢献度で、シーズン通してチームを支えている脇谷亮太。前半戦は『野手の勝利の方程式』とも言うべく、主にリードしている試合で守備固めとして役割を果たした。後半戦、それまで好調だった選手が相次いで調子を落とし、投打のバランスが崩れてチームが勝ち星から遠ざかった中でも変わらず良い状態を維持した。

 その安定感が評価され、7月からはほとんどの試合で先発。特に球宴明けの7月20日からは自身初という右翼手、さらに8月15日からは三番を任されており、こなせるポジションの豊富さと勝負強い打撃で一層の存在感を放っている。

 ただ、宮地打撃コーチは、この活躍が決して特別“好調”だからではないという。「出場機会に恵まれていなかっただけで、使われればこれぐらいの働きをするのは想定内。それぐらいのポテンシャルはもともとあります」。脇谷自身も、巨人時代に数回あった以来だというクリーンアップの大役に「キャラじゃない。恐れ多い打順」と苦笑しつつも、

「試合に出られるのであれば、何でもいい」。過度のプレッシャーを抱える様子はない。むしろ、「周りに良い打者がたくさんいる中で、あの打順で目立とうと思ったら粘ったりつないだりが一番。僕の役割は一緒です」。持ち前の熱い性格と、決してブレない信念で大いに期待に応えている。

「先発メンバーの調子が良くないとき、バックアップメンバーで何とかするのも野球の一つ。誰かのミスや不調を僕が補っていければいい」。すべては勝利のため。献身さと目立とう意識が同居する頼れる熟練者が、CS進出へ向けて勢いを取り戻しつつあるチームを力強く支えている。
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