深刻な左腕不足の救世主になれるか。宮崎日南キャンプで、
飯田哲矢が頭角を現している。今季は大半を二軍で過ごした。
「悔しい思いしかなかった1年でした」
一軍での登板はルーキーイヤーだった昨季を下回るわずか2試合。失点はなかったが、一軍に生き残れなかった理由ははっきりしている。右打者を10打数2安打に封じたのに対し、左打者には4打数2安打と打たれた。今村、
ジャクソン、中崎が固まっていた
広島ブルペンにおいて、左打者に弱い左投手は存在の意義が少なかったのだった。
飯田は連日の投げ込みでひたすら原点球を磨いた。左打者の外角に投げ込むコントロールだ。これまでは小気味良く、キレのある直球を投げ込むものの、ここ一番のボールが甘くなっていた。決め球のチェンジアップは左打者にも有効なだけに、左打者の内角も含め、有効球を決められるかが課題。
「ブルペンではだいぶ良くなってきた。あとは実戦で投げ込めるか」と畝投手コーチも評価する。キャンプ終盤の実戦に向け、飯田自身も牙を研ぎ続けていた。
日本シリーズまで進出した広島はブルペンに左腕がいなかった。開幕当初はオスカルが担ったが、江草らが次々に入れ替わり、最終的には右投手だけのブルペン配備になった。飯田が一本立ちすれば、チームにも大きなオプションとなる。
「来年ダメなら、もうない」
社会人卒の3年目へ、死に物狂いで挑む。