
開幕6戦6勝を飾った多和田
開幕から7試合連続で先発投手に勝ち星がつくなど、先発陣が奮闘を見せる中、抜群の安定感を誇るのが
多和田真三郎だ。
オープン戦では3試合に先発し、17失点、防御率10.13と振るわず、開幕先発ローテーション入りが決まったのは最後の最後だった。だが、始まってみれば、5月8日現在、リーグトップの6戦6勝。その内容も1完投、防御率2.43(同5位)と、まさにエース級の活躍だ。
この好結果について捕手の
森友哉は次のように分析する。
「まず、真っすぐ自体に力がありますし、今年は特にフォークの質がものすごく良い。ほかの球種がダメでも、そこでカバーできるのが大きいと思います」
多和田自身も安定感に関して、「キャンプから土肥コーチと続けてきた、フォーム的な取り組みが成果として出ていると思います」。メカニズムを理解した上で固めてきたフォームが、「しっくりくるようになった」と確かな手応えを口にする。
さらにもう1つ、本人が好調の要因として挙げたのが、12球団屈指の超強力打線の援護だ。
「とにかく、打者が打ってくれるので気持ち的に安心して投げられています。たとえ点を取られても、絶対に逆転してくれる。『次の1点を与えない』ことだけに集中すればいいので、すごく大きいですね」
これこそが、今季のチームの強さの大きな要因でもある。
好成績に「出来過ぎ」と屈託のない笑顔を見せる3年目右腕。これからも、最強の味方であるバットマンたちを信じ、1試合、1試合腕を振り続けていく。
写真=BBM