
疲れもあるのだろう。5月に入りスタメンを外れる試合もあるが、自慢の足は試合の流れを変えられる大きな武器だ
5月3日の
阪神戦(甲子園)に敗れ、4位に転落した
DeNA。しかし、4月には17年ぶりとなる8連勝を記録してセ・リーグ序盤戦をリードした。
ラミレス監督は「他球団も今年のベイスターズは違うなと思っているだろう」と言う根拠には、就任3年目で大幅な改善を見せている機動力にある。
開幕から26試合を消化した時点でチーム盗塁数23はリーグトップ。昨季は同ワーストの39盗塁に終わったことを考えれば、今季のベイスターズ打線はまったく違う攻撃が展開されていると言えるだろう。ルーキー
神里和毅が9盗塁を稼ぎ、阪神からFA移籍した
大和と同じく新人の
宮本秀明が3、
楠本泰史が2と、そのほとんどが新戦力によるものだ。
開幕3戦目から一時、一番に定着した神里は
ヤクルトの
山田哲人と並んで盗塁数トップに着け、ベイ打線の新たな攻撃の形を生み出した。4月6日の
広島戦(マツダ広島)では1回に単打で出て二盗。二番大和のバントで一死三塁をつくり、内野安打で先制点を奪った。三番・
筒香嘉智の犠飛もすでに3つ。四番・ロペス、五番・
宮崎敏郎とリーグ屈指の破壊力を持ち合わせながらも、堅実に1点を取る戦い方ができている。
2014年に50犠打を記録した大和は「細かい野球は計算できる」と言い、ラミレス監督は「相手バッテリーが盗塁を気にして、クリーンアップに対する失投が増えている」と機動力が攻撃全体に生み出す効果に手応えを示す。キャンプから取り組むスモールベースボールが着実に芽を出している。
写真=大泉謙也