
移籍2年目を迎える今季。悲願の初タイトルへ、9回のマウンドを守り続ける
通算145セーブを誇る守護神・
増井浩俊だが、意外なことにはいまだセーブ王のタイトルを手にしていない。
日本ハム時代の2015年は39セーブを挙げるも、41セーブの
ソフトバンク・
サファテにタイトルを譲り、35セーブの昨季も2セーブ差でソフトバンク・森に競り負ける形に。それでも移籍1年目の昨季は「力まなくてもしっかりと良い球が投げられる状態がよくあった」と話していたように、自身のキャリアの中でも高いレベルでのパフォーマンスを発揮。昨季、タイトルを逃したことに「悔しかった」と語る右腕は、今季こそ悲願を達成させる覚悟だ。
自身の投球のみでなく経験豊富な主力としてブルペンにも好影響を与えた。昨季、セットアッパーを務めた
山本由伸はシーズン序盤に「準備にもムダがない」と話せば、
吉田一将も「キャッチボールもきれいで球も強い」と語るように、後輩たちは守護神の試合外での取り組みに刺激を受けたという。
昨季、チームの全登板数621はリーグ最多と中継ぎ陣がフル回転。その増井を筆頭に強固なブルペン陣の活躍で12球団トップの防御率3.69をマーク。ときには、ほかの投手にいたずらをして場を和ませるなど、温かくも絆の強いブルペン陣を作ってきた。
チームと自身の目標は一致する。
「セーブ王のタイトルを獲って、優勝のマウンドに立っていたい」
マウンドでもブルペンでも頼もしく支える増井が、リーグ制覇とNo.1守護神の座を狙う。
写真=BBM