
レギュラー取りへ燃えている木村
そのポテンシャルに惚れ込み、
辻発彦監督は就任1年目、2017年は開幕から右翼のレギュラーとして起用し続け、飛躍を促した。
木村文紀は守備、走塁では期待どおりの実力を発揮したが、105試合で打率.201、2本塁打と打撃で結果を残せず、定位置をつかむことができなかった。
打撃が課題とされる中、昨季は75試合に出場。先発起用こそ25試合にとどまったが、打率.260、3本塁打と前年より数字を上げ、進歩を証明してみせた。
浅村栄斗FAで
楽天へ移籍したことにより、野手のレギュラーが1つ空いた。そこで、内外野とも対応可能な
外崎修汰を内外野のどちらで起用するかが
西武の今季の1つの焦点となるが、ほかの選手次第と言っても過言ではない。つまり、野手全員にチャンスがあるということだ。その中で、実戦でアピールに成功しているのが木村である。
2月21日台湾・統一戦(春野)で3安打、27日
ソフトバンク戦(宮崎アイビー)では4安打と結果を出した。決して調子の良し悪しに左右されているわけではない。「合わせてしまう、というのが自分の悪いところ」と自身の弱点と向き合い、「打撃練習から1球1球に対して最後、強く振り切る」をテーマに昨季から続けてきた取り組みが実を結びつつあるのだ。
理想は昨年10月20日、ソフトバンクとのCSファイナル第4戦(メットライフ)、3回に本塁打を放ったときの打撃。
「構えも、振り出し方も、自分の中で最高でした。打った球が本当に止まって見えて、今までにない感覚でした」
つかんだ感覚を本格的に身につけられるか。レギュラー奪取の最大のカギを握る。
写真=BBM