日本ハムの三塁手争いが熱い。ダークホースは淺間大基だ。プロ5年目の今シーズンは野球人生初のサードに挑戦中。レギュラー候補がひしめく外野だけでなく、プレーヤーとして幅を広げるチャレンジに意欲的に取り組んでいる。「ゴロの捕球など、外野にもつながる部分がある。前向きにやれています」と充実した表情だ。

　誰もが認める潜在能力をホットコーナーで開花させたい。高卒１年目から一軍で披露した打撃力は健在。沖縄での最後の実戦となった2月26日のヤクルトとの練習試合（浦添）では一番打者として初球を先頭打者本塁打。逆方向となる左翼席へ運んだパンチ力もある打撃を埋もれさせるのは、チームにとってももったいない。

　だからこそ新たな可能性を広げるための挑戦。キャンプ中の実戦ではとにかく経験を積んだ。鋭い打球に反応して飛びつくなど反射神経も上々。細かなミスはあるが、すべてが糧となる時期だ。ここまでは大きなつまづきもなく、順調に前へ進んでいる。

　栗山監督は「サード淺間ってカッコいいよね。思ったとおりに進んでくれている」と目を細める。外野手としても一流になれるポテンシャルがあるが、新たな課題を乗り越えれば、もっと大きな成長を見せる可能性もある。

「このチャンスをつかまないといけない」

雑念を振り払って野球と向き合う5年目の春。近藤、大田らと争う戦いを淺間が制すれば、チーム力はグンと底上げされる。

写真＝BBM