今では矢野阪神の一番打者としていなくてはならない存在となっている近本
矢野阪神に色をつけたのは、ドラフト1位外野手の
近本光司だった。センターラインの確立が急務のチームで、中堅の定位置を開幕からキープしている。
兵庫・社高から関学大、大阪ガスを経て、外れ外れ1位でプロ入り。フタを開ければ、開幕前の下馬評を覆す十分な働きを見せる。
チームを浮上に導いたのは4月25日
DeNA戦(横浜)で、9回に放った逆転4号3ランだ。開幕から落ち込んだチームを最下位から脱出させた。
4月序盤は打率1割台と低調だったが、「一番」に固定されると打ち出した。一時、3割を超えるアベレージで掘り出しものをアピールした。
前半のヤマ場となった12連戦中の5月2日
広島戦(甲子園)でマークした13試合連続安打は、12試合連続だった2001年
赤星憲広の球団新人記録を塗り替えるものだった。この間、背中の強い張りで途中交代するアクシデントにも見舞われた。しかし、じわじわと数字を下げている中でも、「一番・中堅」の役割を果たしている。
「いいところで打ちたい、甘い球を1球で仕留める集中力が大事と思っています」
最大の武器である「足」も「相手に警戒されればされるだけ有利になりますから」。盗塁王争いで、
ヤクルトの
山田哲人らと今後レベルの高い競争が繰り広げられるかもしれない。
ルーキー・近本のパフォーマンスがチームに勢いをつけた。ここからの夏場を乗り切ってさらに加速したいところだ。
写真=BBM