抜群の安定感で、救援陣を支えている
「勝利の方程式」を構築中の
中日にあって、育成出身の右腕が存在感を示している。キューバ出身の
R.マルティネス。今季は4月12日に一軍昇格すると、セットアッパーに定着。激しい外国人枠争いを制し、昨季打率.321をマークした
アルモンテを二軍に追いやる形になった。
飛躍の要因が直球の質向上。もともと193センチの長身から投げ込む直球には力があったが、オフも継続してウエート・トレーニングに励んだ結果、体は明らかに大きくなり、最速は昨季の154キロから158キロに伸びた。
「100マイル(160キロ)を出したいというのが目標としてあって、そのためにオフのトレーニングも頑張った。あとちょっとだから早く出したい」
その球威は、昨季日本球界左腕最速の159キロを記録した
ロドリゲス、5月16日の
DeNA戦(横浜)でプロ入り後最速タイの156キロをマークした
鈴木博志をもしのぐ。防御率は1点台で、安定感でも群を抜く。
22歳の若さでキューバ代表の抑えも務め、東京五輪での活躍も期待される。キューバ野球連盟が4月に公表したMLBに移籍が可能な選手リストにも名を連ねた右腕。アメリカのトランプ政権が移籍協定を却下したことで、先行きは不透明だが、メジャー球団もその動向に注目する。
「日本が気に入っているから。日本でずっとプレーしたい」
だが今は、中日救援陣の核になる。
写真=BBM