
実戦では本塁打0に終わったボーア。ただ本人は延期となった開幕に向けしっかりとした手応えは感じているようだ
虎の命運はジャスティン・ボーアが握っている。本人は開幕延期に「コンディションをキープしたい」といったが本来の姿は見受けられないままだ。
メジャー通算92本塁打。キャンプ、オープン戦と、今か今かと待たれたホームランだが、いつまでたっても大砲ぶりは鳴りを潜めたままだった。
さすがの矢野監督も「上がらんなあ」と苦笑するほどだった。「逆に時間ができたととらえることができるが、ちょっと心配は心配」と本音をもらす。
かつてのバース、ブラゼルの再来と持ち上げられてきたが、まだ本領発揮とはいかない。井上打撃コーチも「みんなもそろそろと思ってるでしょ?」としびれを切らす。
確かに来日直後はアーチストの雰囲気はあった。広角に打ち分けるような打撃練習を披露していたが、いざ実戦に突入すると打球が上がらない。
メジャー時代の2015年から3シーズンにわたりマーリンズで、
イチローとチームメートだった。その3年間でイチローの野球観にすっかり陶酔した上に、17年オフには神戸市内で一緒にトレーニングするほどの親日家になったようだ。
ボーアは不安に思っている首脳陣や、周囲の声をまったく気にしていないようだ。「日に日にバットが素直に出ている。いい感じだ」と本番を見据え、手応えを得ているようでもある。
現状では、開幕が遅れていることでボーアに調整する時間ができたと受け取るべきか。本人の「開幕に合わせたい」という言葉を信じるしかない。