
2年続けてゴールデン・グラブ賞を獲得している源田
2013年から17年まで5年連続でゴールデン・グラブ賞を獲得し続けてきた
今宮健太(
ソフトバンク)を抑え、一昨年、昨年と遊撃手部門の同賞に輝いている
源田壮亮。今や球界屈指の守備の名手との呼び声も高い。今季で4年目を迎えるが、その守備力は年々高まっている。単純に失策数は初年度の21個から昨年は9個と激減したことを見ても、それは明らかだ。
だが、決してこれで満足するような器ではない。むしろ、「『今のはどう頑張っても無理』というエラーはいいのですが、まだ『アウトにできたな』という後悔が結構あるので、そういうミスをなくせば失策数はもっと減ると思います」とより一層の向上心に燃えている。
そこでカギを握るのが、これまでの経験値だ。プロ入り後の3年間、ほぼ毎日試合に出続ける中、相手打者や味方投手の特徴、各球場の芝やグラウンドのクセなどをかなり把握できてきた。源田ほどの名手でも、「(守備にも)スランプは全然あります」と言う。バウンドが合わないなど万が一、普段と感覚がズレていると感じた際、そうした自らの体で培った情報を基に、ポジショニングなどの調整でカバーしていけるかがポイントとなる。
ダイビングキャッチなど、決して派手なプレーで魅せるタイプではない。だが、源田が加入した17年以来、ライオンズファンは知ってしまった。どんな難しい打球でも、ボールのほうから吸い寄せられるがごとくグラブに収まり、次の瞬間、正確に送球し、当然のようにアウトにする源田のプレーがいかに卓越しているか。そして、今年もまた、その何気なく見える打球さばきの中に詰まったプロの妙技に日々酔いしれることだろう。
写真=BBM