広島の背番号7が止まらない。堂林翔太は春季キャンプから猛アピールを続け、2014年以来6年ぶりに開幕スタメンを勝ち取った。7月8日時点で10試合で先発出場し、打率.415、3本塁打、9打点と打撃で強烈なインパクトを残した。
驚異の七番打者だ。開幕戦こそ無安打に終わったものの、開幕カード2戦目の6月20日
DeNA戦(横浜)では2017年4月15日
阪神戦(甲子園)以来のマルチ安打となる4安打をマーク。6月25日の
巨人戦(東京ドーム)では17年5月31日以来約3年ぶり、1121日ぶりの本塁打を放ち、大きな存在感を示した。
首脳陣もいい意味で頭を悩ませる。本来一塁のスタメン有力だった松山が6月下旬に下半身のコンディション不良から一軍に復帰。堂林はそこまで一塁を守っていたが、松山が「五番」に入り、6月27日
中日戦(ナゴヤドーム)は一塁の座を譲る形となった。しかし好調を維持していることから、翌28日同戦は今季初の左翼でのスタメン出場。右中間への2号2ランを含む3安打2打点と結果を残し、三塁で出場した7月8日のDeNA戦(マツダ広島)では逆転満塁弾。レギュラーの座を手中に収めつつある。
右方向への打球が堂林の真骨頂だ。28日に放った3安打はすべて右方向。堂林は「(右への打球が)自分のバロメーター。強引に引っ張らずに、いい方向に打てました」と振り返った。佐々岡監督は右中間への本塁打に「絶好調という中で、あそこに飛ぶのが堂林の打球」と評価する。
昨季は一軍戦の出場はわずかに28試合。ヒットは7本に終わった。今季は開幕から5試合ですでに8安打を放ち、昨年を早くも超えた。
鈴木誠也、OB
新井貴浩氏らの助言を力に変えた。プロ11年目の覚醒はまだ始まったばかり。今年の堂林はひと味もふた味も違う。
写真=BBM