
8月18日の東京ドームでの阪神戦で今季3度目の完封勝利を飾り、開幕8連勝とした巨人の菅野智之
復活ではない。進化を遂げたエース・菅野智之が圧倒的な姿を見せている。
8月18日の阪神戦(東京ドーム)では9回3安打無失点の完封勝利で、球団では1990年の
斎藤雅樹以来、30年ぶりとなる開幕8連勝を飾った。前回登板の12日の
ヤクルト戦(東京ドーム)では「自分の力だけでは達成できない記録だと思っています。皆さんに感謝して、これから先も8連勝、9連勝としていけるように頑張りたいと思います」と話していたが、歴史的な快進撃はまだまだ続く。
腰痛に苦しんだ昨季は11勝6敗。チームはリーグ優勝を果たしたが、防御率は自己ワーストの3.89。13年の入団以来、常に先発ローテーションの軸としてチームを支えてきたエースが、初めて大きなカベにぶつかった。「何一つ貢献できてない」。責任感が強いエースは、そう繰り返し頭を悩ませた。
雪辱を期したプロ8年目の今季は、1月に
ソフトバンク・
千賀滉大らと、福岡県の「鴻江(こうのえ)スポーツアカデミー」での自主トレに参加。自身の身体構造を研究して「うで主導」のフォームに挑戦。新型コロナウイルスの感染拡大による開幕延期で生まれた個人調整期間まで変更を加え、新たな自分を模索し続けた。
結果は数字が示すとおり。ここまで9試合に登板し、3度の完封勝利を収めるなど、8月20日終了時点で両リーグトップタイ、負けなしの8勝0敗、防御率はリーグトップの1.51。6、7月度の月間MVP受賞は当然で、「終わったときにいいシーズンになるように、成績もそうですけど、このフォームにしてよかったと思えるシーズンにしたい」と語った。
昨季の苦悩も糧に、また一回り大きくなった菅野は、どこまで勝ち星を積み重ねるのか。
写真=BBM