二塁での開幕スタメンを目指し、20歳の若武者が奮闘している。高卒3年目の太田椋のバットが止まらない。
「自分のポイントで打てている。タイミングが大事だなと思う。まだまだ打っていきたいです」
2月23日の
ロッテとの練習試合(SOKKEN)では、チーム対外試合第1号となるソロを初回に放った。初球の150キロを振り抜き、右翼の芝生席に白球を弾ませた。翌24日は
西武との練習試合(SOKKEN)に『三番・二塁』で出場。「(西武は)開幕カードでもありますし、嫌な印象を与えたかった。(開幕戦に)出るぞという気持ちです」と4打数4安打を記録する猛アピール。
勢いが止まらない若武者は、2月14日に20歳の誕生日を迎えたばかり。誕生日に「バースデーオンライントークショー」を開催し、視聴者から「対戦したい投手は」と問われると「
田中将大さん(
楽天)と対戦してみたい。テレビで見てたので」と答え、一流投手との対戦を熱望する。
チームの打撃投手を務める父・暁氏にも感謝を込める。
「オフの自主トレも休まず、一緒にやってくれた。感謝して、結果で恩返ししたい」
親子二人三脚で、二塁のレギュラーへ。太田が野球を始めたのは、小学3年だった。「きっかけは父です」と話すように、暁氏は1989〜96年に近鉄の内野手としてプレー。だが、2001年生まれの太田は「父がプレーしてるところ、見たことないんです。僕が生まれたときには引退していたので。映像も見たことないんです」と話す。
「(デビューした)最初のほうは、ベンチ裏で試合をずっと見てくれていたみたいで。安定した成績残せたら(父が)早く家に帰れるじゃないですか」
父に雄姿を見せるのが、最高の親孝行だ。
写真=BBM