
4月14日のDeNA戦で、逆転の2ランを放つ塩見
今年こそは、ポジションを確立しなければならない。4年目を迎えた外野手、
塩見泰隆が開幕から好調だ。17試合が終了した4月15日時点で、全試合に出場して打率.347、2本塁打、11打点。「まだまだアピールして、レギュラーを獲れるようにしたい」と鼻息は荒い。
高い身体能力を持ち大きな期待を懸けられながら、故障が続いて定位置をつかめていない。今オフは、
青木宣親の自主トレーニングに同行。ともに参加した
村上宗隆が新型コロナウイルスの陽性と判定され、自身は濃厚接触者となって練習は限られたが、“青木の教え”を貪欲に吸収した。
「体の使い方やレーニングの仕方も教わって、それがプラスになっていると思う」。体幹の強化やヨガにストレッチ。自身がウイークポイントと口にする臀部のトレーニングも継続して行っている。
さらに、打撃では
内川聖一や
川端慎吾らに助言を仰いだ。川端からは「コンパクトに打ったら絶対に打てる」と声を掛けられ「ボールが見えるし、変化球も直球にも対応できるようになった」と効果を実感。いずれも、首位打者のタイトルを獲得したバットマンたち。貴重な知識を、己のものにしようとしている。
3月31日に
西田明央が新型コロナウイルスの陽性と判定され、3選手が濃厚接触者として一時自宅待機となった。チームにとっては非常事態だったが、塩見にとっては受けた教えを生かし、結果を残す絶好の機会となった。4月14日のDeNA戦(神宮)では、2点を追う3回に、村上の犠飛で1点を返したあと、逆転の2ランを放っている。「勝負の世界なので、強い気持ちを持ってやりたい」と決意を口にする背番号9が、開幕ダッシュをしてみせた。
写真=榎本郁也