
秀でた打撃能力を一軍でも発揮できるように、さらにレベルアップしたい
大阪に生まれ、長曽根ストロングス(小学生)、浜寺ボーイズ(中学生)で育った関西っ子。だが、2017年のドラフトで
西武が2位で
西川愛也を指名すると、埼玉のファンたちはまるで地元出身選手の入団が決まったがのごとく熱烈歓迎した。理由は明確だ。高校が埼玉県加須市にある花咲徳栄高だから。さらに言えば、1年秋からベンチ入りし、2年春夏、3年夏と3回にもわたり甲子園に出場。そして、3年夏には甲子園で27打数9安打、10打点の活躍を見せ、埼玉県に初の優勝旗をもたらした、いわば“英雄”なのだ。期待、人気とも、その高さは当然だろう。もちろん西川自身もそれは十分受け止めている。
入団時、唯一にして最大の懸念事項とされていた、高校2年時に負った大胸筋断裂の大ケガによる「投げる」ことへの影響も、今ではほぼ問題はなくなった。3年目の昨季、待望の一軍初昇格。そのデビュー戦では2打席目に初安打となる2点適時二塁打を放ち、ファンから拍手喝采を受けた。
今季は初の開幕スタメンを勝ち取り幸先の良いスタートを切ったが、12試合出場、8試合先発とチャンスをもらいながらも無安打と結果を残せず登録抹消。悔しさを胸に、次のチャンスが巡ってきたときこそは一軍定着するべくファームで爪を研いでいる。
自らも最大の武器とするバットコントロールの巧みさは一軍首脳陣を含め誰もが認めるところ。あとは、犠打など求められた役割をきっちり果たせる確実性がテーマ。プロの世界でも埼玉に優勝フラッグをもたらせられる選手への成長を誓う。
写真=BBM