竜の夏男といえば頼れる四番ビシエドだ。2018年にはセ・リーグ記録となる月間47安打をマーク。日本のうだるような暑さをものともしない頼もしさを見せている。
今季は交流戦で打率.409をマークし、首位打者を獲得。絶好調で迎えたリーグ戦再開だったが、その直後に思わぬ落とし穴にはまった。6月20日の
ヤクルト戦(神宮)の2 打席目からまさかの18打席無安打。
「だいぶ失投を打ち損じていたね。スイングはいいと思っているのに交流戦のあと、何日か試合がなくて、そこからうまく入っていけないところがあった」
抜け出したのは25日の
広島戦(マツダ広島)の4打席目。同点の8回一死一、二塁から三番手塹江の内角直球をコンパクトに腕を畳んで振り抜いた。
「とにかくしっかりコンタクトすることを意識していた」とビシエド。舞い上がった打球は左翼席へ飛び込む勝ち越しの10号3ラン。夏本番を前に自らを取り戻す一振りで試合を決めた。
移動試合となったこの日は、名古屋から広島への新幹線の車内でも「リラックスしないと結果は出ない。自分自身に怒りすぎないようにね。そうすれば良いことが起きる」と言い聞かせていたという。
来日6年目。球団史に名を残す活躍を見せている。この3ランで通算428打点となり、球団の外国人選手では
タイロン・ウッズ(2005~08年)の426打点を抜き、歴代2位に浮上。7月12日現在で441打点としている。1位の
レオ・ゴメス(97~2002年)の449打点を抜くのは間もなくだ。
写真=BBM