
気温とともに打率も上げたいところだ
バットマンが、堂々と右手を突き上げた。6月27日の
ソフトバンク戦(
楽天生命パーク)。4回に1点を先制し、なお二死一、三塁。
銀次が
和田毅の外角スライダーに食らいつく。鋭い打球が一、二塁間を破った。三走・島内が生還すると、突き上げた右拳をグッと握り締めた。
31打席目で今季初タイムリー。今季初打点で貴重な追加点を奪った。3対2での勝利に貢献すると「みんながつないでくれたチャンスで自分に回ってきた。(走者を)かえすことだけを考えていた」と喜びをかみ締めた。
これまで負傷とは無縁だったプロ16年目のベテランが、初めてケガに悩まされた。3月下旬に右手首を痛め戦線離脱。約2カ月間もリハビリの日々が続いた。「早く戻りたいという気持ちで一軍の試合を毎試合見ていた。早く野球がやりたい。ずっと思っていました」。はやる気持ちを抑えながら、自らと向き合った。苦しい約2カ月を、無駄にはしなかった。
復帰には時間を要したが、遅くはない。大好きな夏が待っている。2017年7月の月間打率は.364。18年7月には打率.320、19年8月は打率.346と、いずれもそのシーズンでの月間最高打率をマークした。「体が動く」と得意とする夏に、一気に調子を上げても不思議ではない。
食欲が落ちる夏場には「食べられるものを口にする」とスタミナ補給にも抜かりはない。「1打席も無駄にしないで、これからもやっていければ」と銀次。混戦からの抜け出しを狙うチームに、頼もしいバットマンが帰ってきた。
写真=BBM