
今季チーム初、自身にとっても初めてとなる完封勝利を飾ったレイ
前半戦の中でも指折りの快勝劇だった。7月12日の
楽天戦(PayPayドーム)。新外国人の
C.レイがチーム86試合目でのチーム初完封。打線も早々に援護し、8対0と危なげないゲーム展開となった。135球を投げ抜いた助っ人は「人生初めての完封なのでうれしい」と日米通じて自身初の完封劇をかみしめた。
「自分としても達成したかった」。見事な完封でもわずかに悔いが残ったのは、残りアウト4つまで迫ったノーヒットノーランだった。序盤から快投を続け、6回のマウンドに上がる際、スコアボードを見て意識した。8回二死から際どい判定もあり、
田中貴也に四球。代打・
炭谷銀仁朗にしぶとく右前に運ばれ、偉業への道は途絶えた。それでも気持ちを切らすことなく、「自分が投げる試合は最後まで投げたい」と9回も続投を志願し、6連戦中のブルペン陣を休ませた。
バッテリーでの共同作業が快投を呼び込んだ。「彼なしでは、今日みたいな投球はできない。1試合のために、どれだけ時間を費やし勉強しているか」と相棒の
甲斐拓也をたたえた。序盤は直球を軸に攻めたてたが、2巡目に入り、甲斐から「真っすぐが狙われている」と指摘された。そこから変化球を巧みに操り、楽天打線の狙い球を外すことに成功したのだ。
一軍デビューは交流戦となったが、そこから3つの白星を重ねた。
日本ハムから移籍した
N.マルティネスがチームトップの7勝。本来先発陣の柱となるべく
千賀滉大、
東浜巨が出遅れた中、助っ人2投手の活躍なくしては5割ターンもできなかっただろう。後半戦の巻き返しにも絶対に欠かせない。
写真=湯浅芳昭