
7月30日のイースタン・ヤクルト戦[鎌ケ谷]では359日ぶりの公式戦勝利を挙げた
大ケガを乗り越えて実戦マウンドに帰ってきた。
斎藤佑樹が7月12日のイースタン・リーグ
DeNA戦(鎌ケ谷)で中継ぎ登板。6回の1イニングを9球で三者凡退に抑えた。「チームが戦っている時期ではあるんですけど、こうやって試合に投げられて、僕自身は幸せに感じました」。故障してしまった昨年10月16日の同リーグ
巨人戦(ジャイアンツ)以来、269日ぶりの登板だった。
異例の早さで復帰したと言っていい。故障したのは右ヒジ。靱帯断裂だった。同様のケガでは、多くの選手が復帰まで1年以上を要するトミー・ジョン手術に踏み切るが、斎藤はメスを入れなかった。自己治癒力を利用したPRP療法などを行い、リハビリ過程でも積極的に投げることで靱帯の再生を促す、画期的な治療法に取り組んできた。
リスクも承知で、いち早く復帰の可能性がある方法を選んだ。リハビリ段階でも投げ続けることで「もう1回断裂するかもしれない」という怖さもあったが、置かれた立場もある。「今年1年、選手としての時間を過ごしている。その時間をもらっている以上は結果を出さないといけない気持ちもある」。なりふり構わず、勇気を持って未知の復活ロードを切り開いてきた。
ゴールは、まだ先だ。「早く一軍に上がれるようにバッターを抑えていくことしかないと思う」。選手として、一軍でチームの勝利に貢献するために、これまでやってきた。「どんな手を使ってでも抑えていきたい」。後半戦での昇格へ向けて、次は二軍で結果を積み上げていく。
写真=BBM