
来季は監督就任6年目を迎える辻監督
日本ハムの“BIGBOSS”こと
新庄剛志新監督が就任会見で「優勝なんか一切、目指しません」と独自の表現で選手・チームの士気を高めていく方針を示唆したが、6シーズン目を迎える
辻発彦監督は真逆だ。「優勝を狙っていきます!」。目指すべき目標は、はっきりと口に出してチームを統率していく。
リベンジに燃える中、克服すべき課題は明確だ。真っ先に挙がるのが、低迷が続いている投手力の向上である。特に制球力改善は必須。2021年の通算成績を見ても与四球数は最少の
楽天383個を214個も上回る597個と深刻だ。指揮官も「逃げて四球ではなく、いろいろな打ち取り方があるのだから、打たせればいい。これ(四球数の多さ)を解決しないと失点は減ってこない」と最重要課題に掲げる。一方で手薄な左腕先発には新外国人の
ディートリック・エンス、大学屈指と評される
隅田知一郎、
佐藤隼輔の両左腕をドラフトで獲得し、光明が見えたのは大きい。
攻撃面では
山川穂高、
外崎修汰、
源田壮亮、
金子侑司、
森友哉の名を挙げ、「技術はもちろん、気持ちの面でもガラッと強いものを持たないと」と主力組のもう一段階のレベルアップを求める。同時に
呉念庭、
愛斗、
岸潤一郎、
川越誠司ら21年台頭を見せた選手、さらには秋季キャンプで目に留まった
渡部健人、
タイシンガー・ブランドン大河、
長谷川信哉(育成)らの成長にも言及。「おかげで選手たちに競争意識が出てきた」とチームの活性化に期待を高めている。
「この戦力をもってすれば、優勝を狙えると思っている。6位から下はない。怖いものなしです。楽しみにしていてください」。そう言う監督自身が、一番楽しみにしている。
写真=BBM