再昇格に向けて、ファームで打力を磨く大盛
俊足強肩の
大盛穂は今季、スーパーサブを脱する覚悟で臨んでいる。チーム屈指の走力と180センチの体から放る強肩が売りのプロ入り4年目戦士。佐々岡監督も「守備と走塁に関してはスペシャリスト」と高い評価を出してきた。
オフには自らの立ち位置も踏まえた上で、今季の意気込みを口にした。「僕はタイプ的に長打より、出塁が求められる。でもそれはあくまで評価だと思う。長打や本塁打も打てるに越したことはないので、長打を狙ったりするのも構わないと思う」。プロ入り通算は2本塁打ながらパンチ力も兼ね備える。2月のオープン戦(27日の
日本ハム戦=名護)では右越えの本塁打も放った。「あれがなければ二軍に落ちていたかもしれない」と振り返る一発もあり、開幕一軍に名を連ねた。
大きなチャンスが巡ってきたのは5月18日の
巨人戦(東京ドーム)だ。一番・右翼で今季5試合目のスタメン出場。5打席で4度出塁(1安打3四球)と貢献すると、翌19日もスタメンを勝ち取った。しかしこの日は4打席出塁なし。その後はベンチスタートが続き、同30日に出場選手登録を抹消された。「やはり打たないといけない」と悔しさを持って一軍施設をあとにした。
「調子がいい人が出たらいいのかもしれないが、強いチームはレギュラーがしっかりしていて、その裏で控え選手もしっかりしている。僕自身ライトに定着したいと思って過ごしている」。今季は守備固め、代走要員には甘んじない。打力に磨きをかけて、いまだ本命不在の正右翼手争いにピリオドを打つ。
写真=榎本郁也