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DeNA・戸柱恭孝 打撃開眼の気配。レギュラー返り咲きに意欲満々/このままでは終われない

 

出番があれば懸命にプレーする戸柱


 年齢を重ね、少しずつ役割が変わってきた。戸柱恭孝はそれを受け止め、自身の存在価値を高めようと懸命だ。「どんな状況でも投手(の状態)をつくって、しっかりと打つ。チームが勝つために、求められることをやっていかないといけないと思っています」。新型コロナ陽性判定による離脱を除けば、開幕から一軍の戦力として56試合(8月26日現在、以下全同)に出場。主戦格は嶺井博希に譲っているが、出番に備えている。

 かつてアレックス・ラミレス監督に重宝された新人捕手は、プロ7年目の32歳になった。不動のレギュラーから転落し、長いファーム生活も経験した。「お前はやらないといけない選手。必ずチャンスは来るから、絶対に腐るなよ」。苦境で思い返すのが、当時のチームメートだった後藤武敏石川雄洋ら先輩選手の言葉。「やるのは自分自身」と言い聞かせ、1打席、1イニングを大事にしてきた。

 課題だった打撃にも開眼の気配が漂っている。フルスイング一辺倒だったスタイルを、昨年後半から見直すようになった。「自分のスイング軌道と打球方向が合ってきた」と今季は先発マスクをかぶった試合で打率3割を大きく超える。トータルでも.278をマーク。「振り過ぎじゃない?」とあるとき、何げなく指摘してくれた一人が相川亮二バッテリーコーチ。進むべき道がはっきりし、7月以降は21試合で打率.357の充実ぶりだ。左腕・濱口遥大の専属だけでなく「選手である以上は、あきらめてはいけない」とレギュラー返り咲きにも意欲満々。奇跡の逆転優勝へ、力の限りを尽くす。

写真=BBM
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