
7月30日の楽天戦(楽天生命パーク
2年目の今季、
古川裕大は強打の持ち味を発揮し始めた。7月30日の楽天戦(楽天生命パーク)で待望のプロ初安打をマーク。「やっと出たなという思いでした」。プロ通算9打席目でのメモリアル安打は、楽天・
田中将大の投球を右前へはじき返した。「メジャーでも活躍された本当に素晴らしい投手から打てたのは良かった」と、思い出に刻まれた。
上武大から2020年ドラフト3位で入団。強肩強打の捕手として背番号27が与えられた。1年目からの飛躍が期待されていたが、昨季は一軍昇格を果たせなかった。
セールスポイントの打撃で苦しみ、守備面でも構え方などを試行錯誤。「1年間を通して自分の課題と向き合った」と、プロ野球選手として大成するための修業に専念したのが21年だった。
もがく中でドラフト同期では1位の
伊藤大海、2位の
五十幡亮汰、4位の
細川凌平、6位の
今川優馬が21年シーズンで一軍デビュー。5位の
根本悠楓は今季の開幕戦で一軍初登板を果たした。古川裕は大トリで4月9日にプロ初昇格初出場も、1週間後に新型コロナウイルス陽性判定を受けて離脱。チャンスを生かせず、前半戦は二軍生活が続いた。
二軍戦では、捕手だけでなく外野守備にも挑戦。選手としての幅を広げた中で、チーム全体がコロナ禍に襲われていた後半戦初戦に「特例2022」の代替指名選手として再昇格を果たすと、BIGBOSSからは打席での内容の良さも買われて着実に出場機会が増えている。8月24日の
オリックス戦(帯広)では2度目の四番に抜てき。飛躍するために築いてきた確かな土台から、主力への階段を上り始めた。
写真=BBM