
開幕一軍に向けて、田村のアピールはまだまだ続く
沖縄2次キャンプ、2月18日の紅白戦で紅組の四番として
田村俊介が
コールされた。3打数ノーヒットと結果は残せなかったが、四番での起用は高卒2年目の19歳に対する首脳陣の期待の表れだった。
日南1次キャンプ初日、
新井貴浩監督が唯一、名指しした。「みんな良かったのが前提で、田村はパッと見たら、すぐに『おっ!』と思った。オフ、しっかり考えて取り組んできたなというのが見えた」。その言葉に応えるように、紅白戦2戦とも安打を放ち、沖縄一軍キャンプ帯同をつかみとったのだ。
キャンプ初実戦の2月12日の紅白戦で放った二塁打は、追い込まれてからのチェンジアップにうまく対応した一打だった。1年目は二軍戦43試合で打率.185、0本塁打。「追い込まれてから落ちる球で三振することが多かったけど、オフから“拾い打ち”の練習をやってきたことが実戦でできた。秋までは飛ばそうと力みがあった。力感を変えた部分を出せた」。志願して弟子入りした
松山竜平から学んだ低めのボールに対応する打撃が早速、結果へとつながった。
愛工大名電高時代は最速145キロを誇るエースとして3年夏に甲子園出場に導いたが、高校通算32本塁打の打力を高く評価され、プロでは野手に専念。チームの外野陣はベテラン・
秋山翔吾を筆頭に
西川龍馬、
野間峻祥と強固な布陣がそろい、
宇草孔基、
末包昇大、
大盛穂に加えて
堂林翔太もいる。挑む壁は高いが、沖縄切符という第一関門は突破した。
「やっぱり開幕一軍というのが一番の目標。沖縄で結果を求めていきたい」。明確な目標を胸に、激しいサバイバルの中を突き進んでいく。
写真=牛島寿人