こんな元気なベテラン、見たことない。松田宣浩はプロ18年目にして新天地で再出発。攻守走、そして元気をアピールし、開幕を一軍で迎えた。
「伝統のあるチームに入って野球ができるので、ワクワクした気持ちでいっぱい。まだまだ若く、熱く、元気に。これをモットーにプレーしていきたい」
昨季限りで、
ソフトバンクを退団し、幼少時から大ファンという巨人へ入団した。不動の三塁手として一時代を築いた右打者は通算1831安打、301本塁打、991打点を誇り、7度の日本一を経験。“熱男”の愛称がつくほどのエネルギッシュさがこの男の代名詞だ。
春季キャンプから存在感は抜群だった。ノックなどでの声は人一倍グラウンドに響き、1本の安打で体全体を使ってガッツポーズ。原監督は「非常に目立ってましたね。なかなかウチにはいないタイプ」と目を見張り、「声を出せない選手はやっぱり自分にどこか不安があったり、自信がなかったりというのはあるような気がします。声力(こえりょく)というものって、あるな」と舌を巻いた。
オープン戦は12試合で打率.222、0本塁打、4打点も、内野のバックアップとしてしっかりとアピール。「熱く元気にやれば必ずチーム力は上がる」と仲間を鼓舞する能力は、今や欠かせない。間違いなく今春の巨人における注目ポイントの一つだった“熱男旋風”。常勝を知る男の本当の見せ場は、これからだ。
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