今季、ドラフト6位で入団した児玉。攻守で存在感を発揮している
松井稼頭央監督がキャンプ時から「現時点でレギュラーが決まっているのは3人だけ」と明言していた中の一人、
源田壮亮がWBCで右手小指を骨折して戻ってきたことが、まず
西武にとっては最大の誤算だったと言わざるを得ない。昨季も5月に自打球を当て約1カ月間登録抹消となったが、その際は
滝澤夏央がシンデレラボーイとなり、その穴を大きくカバーしたが、WBCでもあらためて証明されたように源田の守備力は球界屈指。替えが利かない存在だけに、2年連続の春先の長期離脱に危機感の声が相次いだ。
ところが、それを払拭する存在が今年もまた新たに現れた。ルーキーの
児玉亮涼だ。大阪ガスでもまれた内野守備はキャンプ時から高い評価を受けていたが、オープン戦でも安定かつ軽快な守備を披露し、開幕一軍入りを果たした。さらに評価を上げたのは打撃面だ。開幕3試合目からスタメン起用されると、自身2試合目でプロ初安打を記録。4月9日、11日と2試合連続で猛打賞を記録するなど、好打を披露した。攻守にわたり、1年目からこれほどまでに存在価値を高められたことは、児玉自身にとっても予想以上だったに違いない。
「『やっぱり源田さんがいないとダメだ』と言われるのが一番嫌だと思っていたので、なんとか源田さんが戻ってくるまでは、チームが勝つために何ができるかを考えてやっています。それが結果に結びついているので、このまま継続してチームが勝てるように頑張っていきたい」
源田が復帰へ向け、ファームで着々と状態を上げている。戻ってきたとき、松井監督はうれしい悩みに頭を抱えることになりそうだ。
写真=BBM