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オリックス・山下舜平大 言葉に魂を宿らせて「僕はやるしかない」/“春の誤算”喜怒哀楽

 


 まさかの“大抜擢”は、うれしい誤算だった。高卒3年目、山下舜平大がプロ初登板初先発を開幕戦で託された。

 3月31日の西武戦(ベルーナ)のマウンドに君臨した20歳は、堂々の投球を披露し、6回1/3を84球、4安打1失点の投球で、きっちりゲームメーク。自身に勝ち負けこそつかずも、チームは開幕戦の白星発進に成功した。

 一生に1度のプロデビュー戦に「今日は本当にチームが勝てたので、それが一番です。(自分は)途中で代わっています。最後まで先発として投げ切らないといけない」と力強く話した。

 身長190センチ、体重98キロの恵まれた体格から、最速158キロの球威ある直球を投じる。アピールの舞台だったオープン戦では4試合に登板し、計15回1/3を投じて4失点。防御率2.35と結果を残してつかんだ大役だった。

 エース・山本由伸、左腕・宮城大弥らがWBCの日本代表に選出され、世界の舞台で活躍していたため“ダークホース”としての抜擢ではあったが、本人は自信を深めたマウンドだったことに違いはない。

 その後、4月11日の楽天戦(楽天モバイル)では、プロ2試合目の先発マウンドで5回10奪三振、2安打無失点の快投でプロ初勝利をマーク。記念球を大切そうに持つ20歳が、無数のフラッシュライトを浴びた。3度目の先発となった4月23日の西武戦(京セラドーム)でも7回8奪三振、3安打無失点の好投で2勝目も手に。あどけない笑顔からは想像できない剛球を投じ、今季まで地道な体づくりやファームでの登板を重ねて、開花の瞬間を待っていた。

「僕はやるしかない。強気でいくだけです」

 言葉に魂を宿らせる。

写真=BBM
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