昨年のドラフト3位入団、田中千晴は1年目から30試合の登板機会を与えられ、2勝3敗3ホールド、防御率5.51。一時は勝ちパターンで起用されるなど首脳陣の評価は高い。その投球の中心となるのが落差の大きなフォークボール。田中千自身も「一番得意な球はフォークだと思っています。でも武器と言っているくせに、去年は安定感がなくて全然武器になっていなかった」と強いこだわりを持っている。
毎日、自身のエクセルファイルにフォークの回転数などを入力するのが日課。その数字にバラつきがあったといい、「投げたいフォークを投げられるように」と、カウント球と決め球の2種類を投げ分けることをオフの課題に掲げている。
リリースの瞬間にボールに伝わる力を強くするため、
ロッテ・
佐々木朗希やドジャース・
山本由伸、T.
バウアーらを参考に投球動作を研究。「捕手方向に力を伝えようと押して投げていたけど、回旋の力を伝えられていないと。だから、腕を振り下ろす瞬間に下半身を思い切り回すぐらいのイメージで投げています」と試行錯誤を続ける。
チームメートの同学年、
門脇誠と鹿児島で行った今オフの自主トレでは、3本指での腕立て伏せを続け、ボールを握った際に安定感を出すための握力アップを図る。こだわり抜くフォークで、若きリリーバーの2年目に期待がかかる。
写真=BBM