守護神の座を奪回して自身最高成績を目指す
山崎康晃はすがすがしく、前向きだった。「常に上を見ている。キャリアハイを目指していきたい」。神奈川・厚木で恒例となった自主トレ。テーマを「原点回帰」とし、再起への思いを打ち明けた。
「今やるべきなのは、自分に自信を持ってマウンドに立つこと。昨年はまったく力になれなかった反省がある。このチームで誰よりも成長して、本当に心を鬼にして追い込んでいきたい」
節目のプロ10年目。守護神奪回をかけたシーズンが始まろうとしている。
昨年は49試合で3勝7敗20セーブ、防御率4.37。救援失敗した7月15日の
広島戦(横浜)を最後に、抑えから外れた。「技術的なところで言うと、追い込んでからの球が少し甘かった」と反省点を挙げ、直球と宝刀ツーシームに加え、オフはスライダーの精度向上に着手。
大勢(
巨人)ら同じポジションの投手も参考にし「追い込んでから頼れる球を投げたい。自信がつくまで練習するしかない」と鍛錬する毎日だ。
新人だった2015年から勝ち試合の最重要局面を託されてきた。18、19年に2年連続で最多セーブのタイトル。22年には史上8人目、当時の最速(29歳10カ月)で通算200セーブも達成した。名球会入り条件となる250セーブまで、残り23。「キャリアハイを狙う中では、必然的に通過点になる。今の僕に必要なのは、チームの競争に勝ち抜くこと。誰も手が付けられないような投手に成長したい」とあえて自身にプレッシャーをかけた。
投手キャプテンの肩書が外れても、責任は同じ。復権をかけ、勝負に挑む。
写真=BBM